【wrwrd!】君を落とすために。【実況者】 (ページ15)

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頑張れJK/osmn ページ15

４月。桜も満開になり新しい生活に期待する頃。私は地のどん底に落とされた。
入学式も終わり、当校三日目が経過し、本日で四日目。しかし私は高校に行きたくないと感じている。いじめとかそういうものではなくて。ただ単に高校そのものが嫌いになってしまったのだ。

貴「はぁ……。行きたくないよー。」

もうその言葉は口癖となりつつある。新しい生活に馴染むまでは初対面の人を気遣って、夜更かしをしないようにと心掛け、予習復習をしっかりとする。中学校とは別の次元のものだと嫌でも気づかされる。
ﾋﾟｺﾝｯ、とLINEの通知が来た。こんな朝早くに一体誰が、と眉間に皺寄せてスマホを手に取る。

貴「マンちゃんっ！？」

それは意外な人物であった。仕事に行く時間ではとスマホで時間を確認する。バスに乗っているであろう時間ということがわかった。珍しいと思い直ぐに返信する。

【おはよう】

【えっ？珍しいね、こんな朝早くに！】

【昨日学校いややゆうてたやろ？】

直ぐに帰ってきた言葉に私は驚きを隠せなかった。確かに昨日の夜、先生こわい、や精神すり減らしている気がするなどはた迷惑な愚痴を聞いてもらっていた。心配してくれているのなんて期待してしまう。

【頑張れ】

【頑張ったら、甘いもの食べに行こうや】

その言葉だけで胸につっかえていたものが、のしかかっていたものがなくなった気がした。いまだ不安は消えきれてはいないけれど。行きたくないという気持ちは残っているけれど。不思議と力が湧いてくる気がした。

【行く！絶対行く！頑張るから！】

【いい子やな。】

そこで出社したのかLINEは途切れた。けれども、私は緩んだほほを抑えきれない。マンちゃんが応援してくれているという事実だけでこれほどまでに嬉しいと思ってしまう。
単純と言われても構わない。

貴「また明日ー！」

靴を履き替えて、友達に別れの挨拶をする。はやく帰ろうと足を速めると、校門付近がざわついていたような気がした。
誰かいるのだろうかと思って凝視してみれば、それは朝私とLINEしていたマンちゃんだった。
なんで学校にと思ったがマンちゃんとバッチリ目が合ってしまった。

「A」

私の事を知っている周りの人達がヒソヒソと何かを話している声がきこえる。
それを気にする暇もなく私はマンちゃんに駆け寄った。

貴「なんでここに！？」

「甘いもの食べに行こってゆうたやろ？」

さらりと当たり前の様に話す彼をみて開いた口が塞がらなかった。