第53話【回想4-2】 ページ20
.
「そんなキミがこの一発勝負のジム戦で、どんな戦いをしてくるのか、楽しみアル」
ニヤリ、と妖しく笑ったルーファはすぐさま最初のポケモンであるピカチュウを繰り出してきた。
「ピカチュウ……でんきタイプ!よし、ドオー、行っておいで!」
つい先日ウパーから進化したドオーに試合を託す。
「先手は頂くアル、てんしのキッス!」
「え!?」
てんしのキッスは、相手を混乱状態にする変化技。
混乱状態だと、一定の割合で自分を攻撃してしまうため、非常に厄介だ。
「うう、しょうがない、ニャローテ、代わりにお願い!」
混乱状態は引っこめると解除できるので、でんき技半減のくさタイプ、ニャオハの進化形ニャローテに交代する。
「その隙にでんこうせっかアル!」
「反撃だよニャローテ、タネばくだん!」
「スパークアルよ!」
「もう一度タネばくだん!」
タイプ相性がそこまで悪くなかったのもあり無事にピカチュウを突破。
続いて出てきたのはなにやらチアリーダーのようなフォルムの小鳥系ポケモン。
「この子は……わかんないけど、ひこうタイプとか入ってたらまずいなあ……よし、シャルに替わって!」
グレイシアはこおりタイプなので、もし相手がひこう技が使えるポケモンであっても安定して戦える。
「よーし!シャル、こごえるかぜ!」
「オドリドリ、フラフラダンスアル!」
知らない名前の技が出てきたのだが、どうやらグレイシアの様子を見るに混乱状態になってしまっているらしい。
「フラフラダンスは混乱させる技なんだ……よし、一旦シャルは戻って!ドオー、もう一度お願い!」
引っこんでいたおかげで混乱状態が治っているドオーに、「どくづき!」と指示をする。
「その前にオドリドリのアクロバットアル!」
「ドオー大丈夫!?」
アクロバットという技は、持ち物を持っていない場合威力が2倍になるという特徴のある技。
持ち物なしで撃つと、ひこうタイプの超大技「ブレイブバード」に近い威力が出る。
思わぬダメージを負ってしまったが、まだドオーは戦えるとばかりにこちらを見ている。
「……よし、もう一度どくづき!」
「突っ込んでくるアルか、無茶通すアルね、アクロバットで倒れろアル!」
もちろん素早いオドリドリが先制するのだが。
「っな、踏ん張ってるアルか!?」
ドオーはギリギリのところで持ちこたえ、そのままどくづきを撃ち込んでくれたのである。
137人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リトルポム | 作成日時:2023年1月14日 22時