【まふまふ】屋上から飛び降りようとしたら、下の人と目があった。

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Aside



明日から夏期休暇だから、しおりをまとめるぞー。

気怠げな担任教師の声にあてられて、プリントを貰うための列がのろのろ動き出す。なんでクーラーつけないんだよ、暑いよ。

今年は例年よりも気温が高いらしい。今朝のニュースにいたお天気お姉さんも暑そうだったな。

セミは教室にまで届く声で鳴くし、本当にうるさい。



「Aは夏休み、なんか予定あるのー？」

「んー、特にないと思うけど」

「じゃ、遊ぼうよ！ どっか遊びにいこ！」



暑さでぐったりとした結愛にとって、夏休みは至福の時らしい。

アイス……かき氷……スイカ……。そう呟きながら結愛はプリントを手に取る。にこにこ顔だったが、部活動活動表一覧を見たとたんに、うげ、と顔を歪ませた。



「うわー、部活結構ある……暑いのにやだなー……」

「結愛、陸上部だっけ」

「うん、下っ端だけどね。代表に選ばれるのは足が速い……ほら、間宮さんとか」



視線で間宮さんを示す。

間宮さんも陸上部らしい。委員会の仕事も勉強もできて、運動もできるとか完璧すぎ。と、結愛がよく言っていた。

ちなみに私は帰宅部。部活とか面倒臭い。

結愛がため息を吐いて口を開いた。



「でも、あの人はあの人で努力の成果だからなー。文句つけるとこがない。練習サボリで出来るとかだったら、文句言えるのに。めちゃくちゃ一生懸命だもん」



間宮さんは放課後にも自主練習をしていたり、スキマ時間には勉強をしていたり。

やっぱり努力の成果らしい。生来の面倒くさがり屋の私には考えられないような生活習慣だ。間宮さんには素直に感嘆してしまう。

……そんな人がまふさんのリスナーとは驚いてしまうが、私のまふさんに対する評価はリスナーさんが付ける評価と天と地ほどの差があるので気にしないでおく。



「あ、でもAもめっちゃ頭いいよね！ 学年順位一位とかさぁ……」

「暇だったら勉強してるだけだって」



昔は、友だちと遊びに行くことなんてなかったからな。

持て余した時間はほぼ勉強時間になっていた。そのおかげで今も好成績を保てている。


……まふさん、喜んでくれるかな。５という数字ばかりが並ぶ通知表を目に、少し微笑んだ。

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