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第二十九話  母が伝えたいこと ページ31

Aside









ピィピィ、、、。ピィピィ、、、









静かに鳴く、ルフ達は、



その泣き声と共に


温かい“声”を運んできた、、、。



























『A、最期くらい、お母さんを困らせないでちょうだい、、、、。』






今にもこぼれ落ちそうになる涙を必死にこらえながら、


母さんは静かに言った、、、。




































『この世界にはね、、、。残酷なことや、許せないこと、、、、、時には大切な人を失うこともある、、、。』












その言葉の意味を理解できない小さな私に、母さんはそれでも、必死に伝えようとした、、、、。





















『でもね、、、。それがあるのが“人生”というものなの、、、。残酷で悲しくて憎くて、、、、、そんな醜い感情は、常に私達、人の中に潜んでいる。でも、、、。それは、悪いことではないの。だって皆、醜い感情を持っているんですもの、、、。』






















だから悪いことじゃない、、、。
と、母さんは繰り返した。












でも、、、。と母さんは続ける。








『それと反対に、明るくて、楽しくて、嬉しくて、、、。幸せだなぁ〜って感じられることが、この世界にはたくさんあるの、、、。しかも、それは私達人々が力を合わせ、お互いを思いやることで無限に増やすことができるの、、、。』





























だから、、、。



















母さんはにっこりと笑い、いや笑っていると思う声で







『Aには、、、。幸せをたくさん作ってほしい、、、、、。そして、大切な人と出会い、恋に落ち、幸せになってほしいの、、、。』



と、言った、、、、、。















母さんの声がだんだんと小さくなる、、、。






































最期に、と母さんは今まで、


私が知っている中で一番幸せそうな声で、こう言った、、、。







































『産まれて来てくれて、、、。

  ありがとう、、、。A、、、。




































































愛してる、、、、、、。』









と。

第三十話  現実に戻って、、、。→←第二十八話  ルフ鳥からの声



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作者名:てる | 作成日時:2018年6月27日 22時

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