【オリジナル】十二天物語 (ページ25)

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二十四頁目ページ25

そんな出雲をよそに真はさらに続ける

真「面倒事はホントにイヤなんだけどね・・・。人命かかってるならそうも言ってられないでしょーが。だからちゃんと手伝うわよ。といっても封印くらいしかできないけどね」

というかもはや学校関係(女子関係)の面倒事は修復出来なさそうだし……

あー、明日学校行きたくない

イヤなことまで思い出してしまった真である

しばらく、沈黙が続いた

先に沈黙を破ったのは出雲だった。

出雲「・・・そっか。分かった。これからよろしく杉川さん」

明日からの暗い学校生活に頭を悩ませていた真は慌てて出雲の顔を見て・・・・驚いた。
いつも仏頂面か無表情か・・・とにかく、顔の運動が極端に少ないと思っていた出雲がこっちが見ていられないほどの笑顔だったのである。

真(う、わあ・・・。そういえば出雲君って美形、の類だったんだっけ。)

あまりに驚いたので返事が一拍遅れる。

真「・・・そっそうね。よろしく出雲君」

少しどもったが、出雲は特に気にしなかった。

この日、前世が十二天の二人が今生での縁を結んだ。
それがこれからの戦いにおいてどう転ぶのかは未だ、誰も知らない。

出雲「さて、そろそろ結界解くよ。－ナウマクサンマンダボダナンエンマヤソワカ！ー結界解除！」

出雲が真言を声高に唱え、印を結ぶ。
途端に時が動き出し、さっきまで襲いかかってきた人たちは結界を張る前より少し人数が少なくなって、何事もなく動き始めた。

真「あれ・・・？人数が足りない？」

疑問に思った誠がそのまま質問すると、出雲は(また無意識だろうが)痛みを我慢した表情で言う。

出雲「僕がアスラごと斬った人たちは存在ごと消える。存在、しなくなるんだ・・・・」

その言葉の裏には気づかない振りをして真は言葉を紡ぐ。

真「なら、やっぱり、私が封印しなきゃダメだね。－誰も傷つかないように」

その言葉に少しだけ出雲が反応する。

やがて
そうだね、と小さな言葉が聞こえてきた。

静かな空気が二人の間に流れる