【オリジナル】十二天物語 (ページ24)

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二十三頁目ページ24

しかし、そこまでわかってもかける言葉のない真に出雲は続ける

出雲「彼らを操っていたアスラは杉川さんが封印した。あの六角形の石が証拠だよ」
真「あれが・・・？」
出雲「そう、あれが」

呟いた真に対し、即座に出雲が答える

出雲「あの状態にしとけばアスラは力を使えない

あとはあれを誰かが触ったりしなければいい

もし、普通の人があれの封印を解いたらさっきみたいな事が又起こる

－そして手遅れば犠牲者がもっと増える」
真「そんなっ！！！」

短く叫んだ真にやはり淡々とした調子で出雲が頷いた

出雲「だからこそ、僕はアスラを封じて行かなきゃいけない
たとえそれでアスラごと操られた人を殺すことになっても

でも、杉川さんがいれば人を殺すことなくアスラだけを封じることが出来る

だから、僕は杉川さんに協力・・・して、ほしい」

すらすらと言われたが最後は何故か途切れ途切れだった

まるで消え入りそうなくらい弱々しい
そのギャップに吹き出しそうになるのを堪える

真「別に、協力するのは構わないけど………………なんでそんなに弱々しく言うの？」

真の率直な問いに出雲は軽く目を伏せる

出雲「何でって・・・今回は怪我がなかったけど次もそうとは限らない。死ぬ危険性だってある。
それにさんざん巻き込んだ後でいうのもなんだけど、あまり巻き込みたくない」

そう言った出雲にあっけらかんと真は言う

真「ホントに巻き込んだ後でいうことじゃないわね
でもね、そりゃたしかに死にそうな目に遭ったし、これからも危険な目に遭うんだろうけど今更でしょ？

逆にここまで知っちゃったからにはほっとけない
だって、可能性としては私の知り合いや大事な人が巻き込まれることもあるんだし」
出雲「まぁ確かに可能性はあるけど・・・」

そんな風に割り切れるものだろうか
というかそれより

出雲「・・・なんか、性格変わってない？」

話し始める前はひたすらに避けられて逃げられて、面倒事は絶対にイヤだ！という考えで動いていたように見えたのに

なんなんだこの変わり様

恐る恐る問いかけた出雲にやはりあっけらかんとした様子で真は言う

真「むしろ、こんな事態にいきなり巻き込まれて性格が変わらない方がおかしいって」

キパっと断言されてもやはり腑に落ちない出雲