First Love【宇髄天元】

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『ねえ、今日は何描いてるの？』


｢…キン肉マン｣



と言った宇髄の腕の隙間から除きみれば、確かにそこにはムキムキの男の人がいた。
キン肉マン…って、聞いたことはあるけど年代違くない？
まあ、言わないでおくけど。


たぶん宇髄は、そういうムキムキの男の人が出てくるマンガとかが好きなんだと思う。



ちなみに宇髄と同じクラスになったのは初めて。
小3の時にこっちに引っ越してきたらしい彼の家族は転勤族らしく、丸2年も引越しがないのは初めてのことらしい。
今のところ引越しの予定もないらしいので、このままいけば中学校まで一緒になるかもしれない。






｢じゃあ、9時になったら一時間目を始めるからね｣




未だブーイングの巻き起こるクラスをなだめて産屋敷先生はそう言った。





『はーあっ、宿題2倍かあ…。今日は帰った後公園行けないや』



独り言を言いながら一時間目の算数の教科書を出そうと引き出しに手を入れる。








…あれ。





『…待って。算数ない。』


そういえば昨日、算数の宿題やってそのまま机の上に置き忘れたかも。
あぁどうしよう。今日は当てられる日なのに。


1人で頭を抱えていると、横からスっと出てきた算数の教科書。







｢…一緒見るか？｣






我ながら単純だと思うけど、この宇髄の言葉に私の初恋はいとも簡単に盗まれてしまった。









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