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「あれ？Aさん見た？」
「見てない。またどっかフラフラしてんじゃない？」
「あいつ、ほんと影薄いもんね〜」
そのAさんがすぐ後ろでユニフォームを整理しているとも知らずに会話を続けるマネージャーの皆さんをチラリと見る。大声出してビビらせてやろうか、こら。
「おい、A」
すると、タイミングを見計らったかのように、突然呼ばれた名前。その瞬間、マネージャーたちが一斉にギョッとこちらを見てから、叫び声をあげて反対側のコートへ行ってしまったのを見て、短く息を吐いた。それから、わたしの名前を呼んだ声の主をジッと見上げる。
「...なんだその目は」
「あ緑間くん今休憩ですかこれスポドリですどうぞ冷えてますよ」
そう言って、キンキンに冷えているペットボトルを渡せば、あからさまに溜め息をついた緑間くんがキッとこちらを向いた。
「そうあからさまに態度に出すな馬鹿め」
「出してない」
「出してるから言ってるのだよ！大体お前は...」
「わぁ聞こえない」
歯ぎしりをしてから鼻を鳴らした緑間くんは、相当疲れているらしく、ゆっくりとした動作で隣に座り込んだ。なんだかお年寄りみたいだ。
「...え？緑間くん、ユニ整理するの手伝ってくれるの？ありがとう」
「......貴様」
その鋭い眼光とは裏腹に、雑務を手伝ってくれるらしい。せっせとユニを畳み始めたのを見て、なんだかんだ言って面倒見がいいんだなと感心していると、緑間くんはこちらをジロリと見てから、不意に手を止めて口を開いた。
「......遅い」
「え？」
「お前は能率が悪いのだよ。ユニフォームを畳むのに一体何分かかっている。こんなもの、直ぐに終わるだろう」
「...おっしゃる通りでございマス」
全く持ってその通りだ。わたしは、他のマネの子と比べると明らかに能率が悪い。自分では速くやってるつもりだけど、遅い。ガクンとうなだれてると、隣から聞こえてきた鼻の鳴らす音に、双眸を見開いた。
「そんな、笑わなくても...」
「悩んでもなかなか答えが出ないのも、お前が一生懸命考えてるからこそだろう」
「え？」
「誰よりも頑張ってることは、みんな知っているのだよ。だから、そんなに考え込むな」
まるで子供をあやすように、ポンと頭を撫でた緑間くんは、休憩終了のブザーが鳴ると同時に立ち上がると、練習に戻っていった。
「...ありがとう」
綺麗に畳まれたユニを見て、そう呟きながら、さっき言われた言葉を思い返せば、幾分か勇気が湧いてくる気がした。
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環(プロフ) - 豪炎寺いちごさん» ほんとですか！すごく嬉しいです^ ^ わかります。しんちゃんのツンデレ個人的に好きです！あと、アニメとか見てると、秀徳のメリハリあるけど、あったかい感じにぐっときます！笑 (2015年2月19日 21時) (
レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺いちご(プロフ) - 環さん» 更新されていてすごく嬉しいです！！嬉しいと思っていただいて嬉しいです（笑）しんちゃんのツンデレ感がすごくいいです！！ (2015年2月19日 21時) (レス) id: fd2b97f491 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 豪炎寺いちごさん» そうなんですね^ ^ 改めてそう思うと、めっちゃ嬉しいです〜〜〜！わたしも気の合う人に出会えて嬉しいです！ (2015年2月19日 19時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺いちご(プロフ) - 環さん» すごく好きな作品にするだけで、基本的コメントはしませんからね（笑）やっぱり大好きな作品の作者には好かれたいので（笑）気が合う人と出会えたことは今日一番の幸せです！ (2015年2月19日 19時) (レス) id: fd2b97f491 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 豪炎寺いちごさん» わたしも思いました！いちごさんありがとうございます！！！ (2015年2月19日 19時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：環 | 作成日時：2015年2月15日 11時
