25.自分の気持ち ページ25
藍side
「あれ?Aは?」
ボク達が戻ると不思議そうに聞いてきたショウに置いてきたと伝えたら、すごい剣幕でこちらを見てきた。
「バカ!なにやってんだよっ!早く連れ戻してこいって!」
「どうして?」
...なんで後輩にそんなこと言われなきゃいけないのかわからないんだけど。
それにあのとき、ボクの手を拒んだAにすごくイラついた。ショウとかにはベタベタされてもなにも言わないくせに、なんでボクだと嫌がるわけ?
イラついた感情を剥き出しにしてそう聞き返すと、ショウは一瞬面食らったような顔をしてからまたすぐに口を開いた。
「どうしてってお前、Aのこと好きなんじゃねーの?心配じゃねーのかよ」
................好、き?
その一言で、今まで心の中でモヤモヤと複雑に絡んでいた何かが解けたような、スッキリとした気持ちになった。
Aが他の誰かと話してるといらいらするのも、Aといると胸がキューっと締め付けられるような感覚がするのも、ボクがAのことを好きだから。
「それと先輩たちに黙っておくようにと言われていた七海さんの作曲の話なんですけど、さっき話しているのをAさんに聞かれてしまって」
「それを聞いてから、Aちゃんあっちに走って行っちゃったんですよね、トキヤくん」
「ええっ!それマジなの!?それって早く迎えに行ってあげたほうがいいんじゃない?しかも、向こうって確か、シャイニーさんが動物放し飼いしてるところでしょ?」
放し飼いしてるっていっても、ここは観光用にも使われるときもあるから多分無害な動物しかいないと思うけど。Aはおばけとか苦手だから、動物の物音とかで怖がってるうちに怪我するかもしれない。
「...藍」
なんて考えていると突然名前を呼ばれて、声のした方を向けば、すごく真面目な顔をしたショウが見上げていた。
「お前が行かないなら俺が行く」
その真っ直ぐな瞳に本気なんだということが伝わってくる。だけど、ボクだって本気だから。
「ダメだよ。Aは渡さない」
「待って、アイアイ!」
「...レイジは来ないで」
ごめんね、A。ボクが馬鹿だったみたい。だから、どうかお願い。お願いだから無事でいて。
神様にも祈る思いで、急いでさっきの場所に向かった。
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☆白いちご☆(プロフ) - わかりました! (2014年11月12日 18時) (レス) id: 7b63d19b57 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - ☆白いちご☆さん» はい!わかりました^ ^ 白いちごさんのリクエストに応えられるよう頑張ります!!こちらこそ本当にありがとうございました!!また何かあったら教えてくれると嬉しいです!! (2014年11月12日 13時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
☆白いちご☆(プロフ) - ありがとうございます。 とても、楽しみにしてます! オチは、誰でもいいです。今から、ワクワクしてきました。 (2014年11月11日 21時) (レス) id: 7b63d19b57 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 了解です!春くらいになるとおもうんですけど分岐点作って別な話書かせていただきます^ ^ オチはそのままかヘブンズの誰かかなと思ってるので、もし何かあったら教えていただけると嬉しいです!こちらこそリクエストありがとうございました!すごく嬉しかったです!! (2014年11月11日 19時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
☆白いちご☆(プロフ) - はい。嶺ちゃんやレンみたいなやつです。オチ相手は、誰でもいいです。ヘブンズに移動してから幸せにの、シーンを書いてくれると、もっと、嬉しいです。また、わからないことあったら、聞いてください。こんな私に親切にありがとうございます。 (2014年11月11日 17時) (レス) id: 7b63d19b57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:環 | 作成日時:2014年4月2日 15時