全部、偽物。18 ページ18
side:A
「どうなってんの…………?」
呆然とするわたしは後退りもせずに、突っ立っていた。
みんなからの視線で感じる。
嫉妬、妬み、尊敬、渇望。それを感じ取ったわたしは快感を感じた。
優越感に浸る。……でも、それどころじゃないっぽいのが現段階。
「…………文野、Aさんだよね?」
「あ、赤司くん…………………。」
背は同じぐらいだけど、彼からの威圧に一歩後ろに下がってしまう。
彼の綺麗な瞳に見つめられて、思わず唾をごくりと飲んだ。
紳士のような彼は、弧を描いたような綺麗な唇を開く。
「覚えてるかな? 昨日のこ_______」
「失礼します!!!!!」
絶対無敵の赤司様の言葉を、わたしは遮って逃げた。
なにを言い出すのですか赤司様!?
麻奈たちの前で言われたら、もれなくぼっちだったよ!?
三階二階一階と降りていって、わたしは昇降口についた。
かなり人の目が辛かったけどな。
「………………なあーんだ。」
チラリと後ろを振り返って、そう呟いた。
キセキの世代御一行の姿はなかった。
それに掃除の時間を終わりに差し掛かってるので、昇降口には人はいない。
そしたらわたしはその瞬間、虚無な世界に襲われた。
変な話だ。
あのとき、赤司くんに声をかけられたとき、好奇心が脳をくすぐったんだ。
なにかはじまる。面白いことが始まるって。
でも逃げた。麻奈に、麻奈たちに嫌われたくなかったから。
それでいい、それでいいはずなのに。
追いかけてくれなかった彼らに対して、すこし哀しくなっちゃったんだ。
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雫@更新おそめ(プロフ) - かなあんこさん» わああ!!ありがとうございます!!この作品でのログインができなくなったので、続編を教えいただいてそちらから読んでいただけると幸いです!!コメントありがとうございます!!!! (2019年2月17日 16時) (レス) id: 6d0f7297ef (このIDを非表示/違反報告)
かなあんこ - これからも頑張ってください! (2019年2月17日 16時) (レス) id: 6f512e0d90 (このIDを非表示/違反報告)
しずく@眠たがり(プロフ) - 彩香さん» 嬉しい言葉ばかり……!!とても嬉しいです!!更新は不定期ですが、完結を目標に頑張っています!!応援ありがとうございます!! (2018年5月26日 13時) (レス) id: b32b3b54dc (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 夢主ちゃんにとても共感しました!とてもおもしろいです!続き楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2018年5月20日 0時) (レス) id: 4f9723570f (このIDを非表示/違反報告)
本城真央(プロフ) - 夜月郁さん» 共感してくれましたか!! すごく嬉しいです!!! ということは、夜月都さまも、かなり辛い経験をなされてるのですか……? なるべく、皆様に当てはまればいいと思ったので、そう言ってもらえると嬉しいです! 頑張ります!!!! (2017年4月12日 22時) (レス) id: 903a53cab6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しずく@眠たがり x他1人 | 作成日時:2015年11月13日 18時