goju-hachi ページ9
薄目を開けると、足元に私の杖が転がっていた。
『あ……』
顔を上げる。セブルス教授が小馬鹿にしたようなすまし顔で立っていた。
私は項垂れて杖を拾いながら訊いた。
『バランス崩しかけたの、演技ですか？』
セ「お分かりいただけたかな」
教授はふてぶてしく微笑んで、自分の杖を指先で愛おしそうに撫でた。
『……嫌な奴』
私は呻いた。だけどやっぱり、そんな狡賢いところもすきだ。
そして丁度私たちの決着が一段落ついたところで、ギルデロイの声が聞こえた。
ギ「ええっと……誰か、見本になるペアはいますか？」
教授が早足で彼の元に向かう。私は慌てて彼を追った。
セ「ポッターとマルフォイでどうかね？」
『貴方って人は……』
私は呆れて彼を見上げたが、教授は口元に歪んだ笑みを浮かべるだけだった。
彼はドラコの耳元で何かを囁き(どうせ狡猾極まりない作戦だ)、また前を向き直った。
ギ「それでは、いいですね！ 3……2……」
ギルデロイが高らかにカウントを仕掛けた時、ドラコが叫んだ。
ド「サーペンソーティア！」
彼の杖先から蛇が飛び出した。鎌首をあげて周りを威嚇している。生徒達が悲鳴をあげて、我先にと壁際へと退いた。
セ「我輩が消してやろう」
教授が杖を取り出したが時すでに遅し。恒例のギルデロイの出鱈目魔法が先だった。
ギ「私におまかせあれ！」
その結果、蛇は2、3m高く舞い上がり、床に打ち付けられた。
蛇は怒り狂った。そして近くにいたジャスティンに向かってスルスルと近寄り、攻撃の態勢をとった。
何を考えたわけでもない。私は反射的にジャスティンと蛇の間に入った。
ハリーも同じように感じているらしい。
気づくと私たちは2人で蛇に語りかけていた。
「『手を出すな、去れ！』」
途端に蛇は平たく丸まり、従順に私達を見上げた。
私達がほっと胸をなでおろしたところで、ジャスティンの怒鳴り声が響き渡った。
ジ「いったい、何を悪ふざけしてるんだ！？」
彼はそのまま私を蛇の方に突き飛ばした。
『うわっ！？』
突然のことで、私自慢の運動神経は言うことを聞かなかった。
私は目を瞑った。噛まれる。今に蛇が大口を開けて、私を──！
──しかし、それは起こらなかった。
セブルス教授が私を片手で支え、蛇を消していたからだ。
『教授？』
セ「来い」
彼はそのまま、私の手をぐいぐいとひいて大広間を抜けた。
不吉な噂を囁きあうかのような不穏な声が、背中の後ろで広がっていった。
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黒金黒金(プロフ) - わーーーーめっちゃ面白かったです！！ (2022年5月30日 14時) (
レス) @page13 id: cd86d9f02f (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - まちなか有栖さん» うわ〜〜良かったです！笑、私もまちなかさんのコメントいっつも嬉しいです…… (2017年10月7日 16時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
まちなか有栖(プロフ) - そんなことはないですwレスが来るたびに嬉しくって嬉しくってw更新頑張ってください!!! (2017年10月5日 19時) (レス) id: 7a9cf76150 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - まちなか有栖さん» いや！私こそいちいち返信して迷惑かなと思ってました…笑、まちなかさんのコメントとっても嬉しいので大丈夫ですよ笑 (2017年10月5日 8時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
まちなか有栖(プロフ) - もう感想送りすぎて迷惑じゃないかと思っているこの頃ですww更新お疲れ様です!!話したいことが気になりますね...。更新頑張ってください!! (2017年10月4日 15時) (レス) id: 7a9cf76150 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2017年7月20日 19時
