立花彩の弟は姉ラブを拗らせたようです。

消えた自転車 26 ページ27

「一晩でこれだけの調査を終わらせれるってどれだけコネが多いんだよ」

聞いたら、黒木は視線を少し俺からそらしていった

「まあ、それなりに」

ふーん

「さ、急いでやっつけようぜ、小塚も上杉ももう動いてる」

あ、話をそらした

「1時間で済ませて特別クラスで合流する予定だ」

2人だけなら余裕で1時間内で終わらせれるな

前もってこれだけに絞ってくれてありがとう

「こいつらってどんなやつなんだ？」

そう聞くと

黒木は口を開いた

「大沢透、先月KZと試合をした『キッカーズ』というチームのキャプテンだった
キャプテンを降ろされたのが先月のKZとの試合が原因でその試合で活躍したのが若武だった」

ほう

「田畑正史、三谷Aクラス。元はBにいたが若武がBに上がった時に代わりに落とされた
総合点は同じだったが偏差値を出す時、秀明は算数だけ2倍にするから国語で稼ぐタイプだった田畑は小差で負けた」

あー、なるほど

にしてもいいよく調べたなぁ
この量を


「まだ途中さ」

あっさりと黒木は言った



・



・


「ありがとう」

黒木と俺らはそう言って
田畑正史と別れた

大沢透と田畑正史に直に会って話しを聞いたが
結果は白

つまり、俺らが担当した嫌がらせの線は消えたというわけだ。

まぁ、若武が知らないうちに恨みを買ってる
可能性があるわけだから完全に消えたわけではないが
ほぼ嫌がらせの線は無いだろう

上杉、小塚の2人が第3の線からだれかを上げてくれなければ
捜査は行き詰まるなぁ


第3の線からグレーが出てくることを願い
俺らは特別クラスに戻った


・


クラスのドアを開けると真っ先に若武の声が聞こえた

「どうだった！？」

その問いに俺は首を横に振って
ダメだったとジェスチャーをした

若武は悔しそうに舌打ちをした

「そっちは？」

黒木の問いに上杉、小塚も首を横に振った

「僕達もてんでダメ」

嗚呼…

皆が一斉にため息を吐いた

「となると捜査は暗礁に乗り上げるな」

だなぁ

単なる乗り逃げってことになるもんなぁ

「まてよ」

上杉がハッとしたように言った

「乗り逃げってことはフラッとその気になったってことだろ？
それだけでチェーンまで引きちぎるか…？」

たしかに

「それにチェーンは人間の力じゃ引きちぎないって兄が言ってた」

皆は一瞬、そう言った彩の方を見て頷きあった

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