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第十話 ページ10

かくして乱数さんの計らいにより再会できたわけだったが、夢野先生は私のことなんて覚えてないかもしれない。そう思うと、今まで必死に探していたのに言葉が出て来ず、すみませんと一言謝って飛び出してしまった。

次の日、この日は乱数さんと約束をしていなかったためにまたふらふらとするしかなくなった私はまたシブヤの街を徘徊していた。

そしてお昼を過ぎた頃、夢野先生との2度目の再会をすることとなり、色々あって今に至るのだった。


「はあ、いつの間に恋なんてしていたんだなぁ」


そう呟くと、窓に走ってくる男性の姿が写った。
夢野先生だ。

カランカラン

息を少しだけ切らして現れた先生はマスターと何やら話している。
短い話が終わった後、カウンターに数百円を置いて私の方へ来ると私の手を引き喫茶店を足早に後にした。


「あ、あの、コーヒーのお金」


「あぁ、払いましたよ」


「えっ、すみません、払います」


「いえ、待たせてしまったのでこれくらいはさせてください」


「いや、でも」


流石に払っていただくわけにもいかず、食い下がる。


「たかが数百円ですよ。そんなに払いたいのなら次お茶するときにでも奢ってください」


「っ...分かりました、ありがとうございます。あの、今どこに向かってるんですか?」


「小生の家です」


「えっ!?」


「さあ、ちょうど着きました。どうぞ、入ってください」


「ええっ!」


「あなたから聞きたい言葉がある。それを聞くまでは帰しませんよ」


さあさあ、と押し込められる私。
入り口を塞がれているので押し戻ることも出来ず、難なく家に入れられてしまった。

聞きたい言葉って何!?お疲れ様でした...とか?かっこよかったです...は言いたいけど少し恥ずかしいし、出待ちの女性たちに散々言われてたしなぁ。


「どうぞ、座ってください」


2人用のソファーを勧められ、ポスン、と座る。
お茶をふたつ持ってきた先生も隣に座った。

すると、先生は斜めにこちらの方を向いて口を開いた。


「小生がバトルが始まる前にあなたを見つけたのは分かりましたか?」


「や、やっぱり私だったんですか」


そう言われて自意識過剰ではなかったと確信が得られ、安心すると同時にまた鼓動が早くなる。


「そうですよ、まさか小生がファンサービスをするとでも思いましたか」


先生はいたずらに笑った。


「では本題に入りましょう。小生に言いたいことはありますか?」

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芽月(プロフ) - 結城さん» ありがとうございます!キュンキュンさせることができてよかったです!リクエストありがとうございます、準備でき次第投稿していきますのでよろしくお願います! (2018年8月13日 11時) (レス) id: e23601d3dc (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 完結お疲れ様でした!個人的に幻太郎が推しでめっちゃキュンキュンしてました(*´∀`*)リクエストで幻太郎が嫉妬する話を読みたいです! (2018年8月12日 22時) (レス) id: ef5937f70b (このIDを非表示/違反報告)
芽月(プロフ) - ぬぬぬさん» 山田兄弟しんどいですよね...あれ、綺麗なジャイアンだと思ってます笑よく聞けば確かに声がジャイアンですもんね笑 (2018年8月12日 17時) (レス) id: ffd8fb249b (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ(プロフ) - ブクロとシブヤ!?一緒です!!これって運めi…((夢野さんと一兄が好きです!だけど一兄の声がジャイアンだと知って… (2018年8月12日 17時) (レス) id: 43acd54f1e (このIDを非表示/違反報告)
芽月(プロフ) - ぬぬぬさん» 私はブクロとシブヤの箱推しです…みんなかっこよくて推しが定まらなくって!ぬぬぬさんは幻太郎推しですか? (2018年8月12日 17時) (レス) id: e23601d3dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芽月 | 作成日時:2018年8月7日 0時

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