【ヒプマイ】君と。【短編集】

入間銃兎 / 寝不足 ページ6

「う…マジでどーしよォォ…！！！」


今は深夜の2時半。


私が向かっているのは机で、その上には参考書やノート、プリント等。


そして机の前には力強い字で、『必勝！！！合格！！！』


大学受験を控えた今年。


今ぶつかっているのは、定期テスト。


そして、それは土日を跨いだ月曜に迫っていて、今日は土曜日。


「というか、日付変わったから、日曜だァァ！！」


ぐぬぬぬ、なんて頭を抱える。


勉強できるのはあと一日しかない。


私が目指している大学は、それなりに難関校だと思うし、高校もそれなりに有名な上の方の学校だ。


優秀な兄を持つ私からしてみれば、兄と比較されないように、なんていう動機から勉強をしているのだろうけど、取り合えず。


「疲れたァ…」


そう言って机に突っ伏す。


…………

「っ、んぅ………？？……！？！？」


むくりと起き上がり、時計を見る。


針が差しているのは、7時半。


最後に見た時間は2時半。


「寝過ぎた……」


15分だけ寝ようとしていたのに、5時間も寝ていたとは。


外は既に明るくなっていて、リビングからは兄が作っているであろう朝食の匂いが鼻を擽る。


「A？起きて…るな。出来たから、おいで」


今日は休みなのか。そうか、そうだな。


ノックをして扉を開けた兄は、私服のままで。


のそのそと椅子から立ち上がれば、身体中が痛い。足元も覚束ない私は、無意識に、兄にバレないことだけを願っていた。


…………

「ごちそーさま」


何時もは全部食べきる量の朝食を、今日は半分ほど残してしまう。


「もういいのか、珍しいな」


兄は既に食べ終えていて、自身の食器を洗っていた。

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