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なにか怒らすようなことをしてしまったかもしれないと、冷や汗をかく私を他所に、ここも濡れてますね、なんて言って胸元を優しく拭き始める。
「…げ、幻太郎、さん」
「なんですか?」
平然としたその態度に、意識してしまっている自分が恥ずかしくなる。
「あの、なにかしてしまったならごめんなさい…でも、心当たりというか、幻太郎さんが怒っている理由が、分からないんです…っ」
呆れられるのを覚悟に、正直にそういえば、ピタリと拭くの止めて、私の両頬を掴んで引き寄せた。
幻太郎さんの吐息が私にかかる。
他の人が見てるのと、こんなに色っぽい幻太郎さんを見るのはなかなか慣れないので、これ程か!というほど顔が熱い。
「げんた…ろう、さん…」
「小生は、貴女のお願いを聞いたんですよ?貴女のことを優先してました。けど、貴女はどうです?……Aさんは、妾の想いを踏み躙るんですのね」
「っ……!!」
私から手を離し、よよよ、と泣く真似をする幻太郎さんを見つめる。
確かに、そうだ。
私は幻太郎さんに、他の人とばっかり話すなとか言っておきながら、一郎くんとか乱数くんとかとばっかり喋って…。
って、あれ…?
「……その……幻太郎さん、嫉妬、してたんですか…?」
それなら、嬉しい。
そんな感情を抱きながら幻太郎さんに尋ねる。
「……さぁ?嫉妬だなんて醜い感情、お生憎ながら、小生は持ち合わせてないんですよ」
「ぇ…」
私の言葉を聞くと、はて、と首を傾げながらそんなことを言うもんだから、ちょっとだけ泣きそうになる。
「げんたろー、素直になりなよ〜」
私の雰囲気を察したのか、乱数くんがそう声をかけると、幻太郎さんは溜息を吐く。
と、私の腕を思い切り引っ張り、私を背中から抱きしめる形で膝の上に座らせる。
「え、あ………?」
「全く。嘘に決まってるじゃないですか。人間、誰しも自分の大切なものには独占欲という欲を抱くモノですよ?」
そう言いながら優しく私の零れそうな涙をそのキレイな指で掬う。
「では、小生を嫉妬させた罰として恥ずかしい思いをしてもらいましょう」
不敵に私の耳元で囁いた幻太郎さんは、そのまま首元に顔を埋めると、服で隠せない位置にキスマークをつけた。
「っちょ!?」
_その後、いつの間にやら広まっていたその出来事をラッパーの皆さんからイジられたのは言うまでもない。
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いちごって美味しいよね様!如何でしたでしょうか?遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした!
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星妻桜@姉妹同盟(プロフ) - 主の心を俳句に 好きすぎる 推しイケメンか 無理しんど (2020年9月17日 2時) (レス) id: fe16128dce (このIDを非表示/違反報告)
おやたぬき(プロフ) - 綾海さん» 了解です!リクエストありがとうございます!!さては寂雷先生推しですか??()遅くなりますが、気長にお待ちください! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 42caa9770f (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - こんばんわ!リク受付ありがとうございますm(__)mはい!完成ゆっくり楽しみにお待ちしています♪おやたぬき様のペースで此れからも頑張ってください!!ではまたっ (2019年2月20日 21時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
おやたぬき(プロフ) - 月華姫さん» 了解しました!!遅くなってしまうかもしれませんが、気長に待っていただけると嬉しいです!リクエストありがとうございます!! (2019年2月20日 21時) (レス) id: 42caa9770f (このIDを非表示/違反報告)
綾海(プロフ) - リクエストで、交通事故でPDSDになってしまった夢主(寂雷先生の年の離れた妹)と寂雷先生のお話がみたいです。 (2019年2月18日 20時) (レス) id: ba228ed2f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おやたぬき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2018年9月27日 21時