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Jk side



「あさって絶対来てね!」

と、シヨルは言っていた。


その日はなぜかずっと俺から離れたところで、一人黙々と花を摘んでいた。


どうしたんだろう。

俺何かしたかな?


と内心はオロオロしていたが、絵を書き続けていた。

そして帰り際、俺に向かってシヨルは「絶対来い」と叫んだのだった。




だから今日は少し早めに来た。



少し高台にあるこの公園からは、結構遠くまで一望できる。

夜景なんか綺麗だろう。


でも俺が描いていたのは公園全体の絵だ。

そこにAを加えてみる。


まるでシヨルと俺とAでいるかのような気持ちになれる。

絵の中でAはしゃがんで遠くを見つめている。

その方向にはシヨル。



もうすぐ完成する。

前回からは絵の具を持って来ている。

天気もいいし、まだ子どもたちがやって来る時間じゃない。

今日で完成させたい。



こんなこといつまで俺は続けるんだろう。

いつまでシヨルのストーカーをするんだろう。


今日絵が完成する。

そしたらすっぱり諦めようか。


いや、俺が諦められるわけがない。

昨日もキム テヒョンが少し遠くに引っ越したのを知って内心大喜びしたんだ。



キャンバスの中のAは微笑んでいる。

あの頃、夫婦だった頃。

よく俺を見つめていた瞳。


出会ったばかりのころの悔しそうに光らせる目は夫婦になってから見なくなった。

あの瞳に惚れたのに、それでいいと思った。

悔しがる必要がないほどAは平穏に暮らせていると思ったから。



偽りでごめん。

胸の中でそうつぶやいた。



Aは今幸せなのかな。

一人で泣いてるんじゃないのかな。

俺は、あれでよかったのかな…。



頭が爆発してしまいそうなほど考えた。

韓国に戻ってから何度も。


でも答えは出なかった。



「…A、元気?」


Aの周りの花に色をつけながら、小さな声で問いかける。


「会いたいよ」



ナムジュニヒョンが言うように、もう一度ちゃんと話し合えば何か変わるのだろうか。


あの時の指輪はまだ持っている。

俺とAの結婚指輪。


それをまだ大事に持っているあたり、俺は何かを期待しているんだろう。

自分が無様で笑えて来る。



「グゥいたーーー!」


突然シヨルの大きな声が聞こえて顔をキャンバスから上げる。

いつもより早い時間だ。


辺りを見回して、ハッとした。


後ろにAがいた。


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設定タグ:防弾少年団 , BTS , ジョングク   
作品ジャンル:恋愛
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- 最高すぎる! (2021年8月27日 0時) (レス) id: e80e14e0ea (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 名作すぎます (2020年1月23日 3時) (レス) id: b6570be25e (このIDを非表示/違反報告)
ぺう(プロフ) - とても良かったです。 (2019年2月4日 12時) (レス) id: 8883837a46 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - とても、感動する作品でした!!!最後、ハッピーエンドになってよかったです。けれからも、がんばってください♪ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めっちゃ好きで、もう何回も読んでます (2018年10月24日 21時) (レス) id: f12f5d2dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月31日 12時

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