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今日は保育園がお休みの日だ。
なんでも電気工事があるらしい。
平日だけど、ホリデイコーヒーはシフト制なので休みはとってあった。
「シヨル、どこ行く??」
「公園!公園!」
「公園?」
シヨルは私の服をぐいぐい引っ張る。
まだ朝ごはん食べたばかりなのに。
「どこの公園?」
「みんなで行くとこ」
「保育園の隣?」
「うん!!」
早く!とシヨルは私を話してくれない。
そんなに公園が好きなのか。
「じゃあ待って、化粧させて」
「いや!」
なんだか今日はいつも以上に言う事を聞かない。
しまいにはわんわん泣き出してしまった。
「もう、しょうがない、行くよ」
化粧もそこそこに私はシヨルを抱いて公園に向かった。
遊び道具も何も持ってきていないけど、大丈夫なんだろうか。
公園は想像していたより小さかった。
けれど色とりどりの小さな遊具と、大きな花壇。
可愛い天使のオブジェが並んでいる。
「素敵な公園だね」
「…いない」
「え?」
「グゥいない」
「グゥ?」
…グゥ?
なんだろう。
一瞬グクと言ったのかと思ってびっくりした。
シヨルはキョロキョロしている。
今にも泣き出しそうだ。
あ、前に言っていた新しい友達だろうか。
「今日は保育園おやすみだから、お友達みんなお家にいるんだよ」
「グゥはいるもん」
「…えっと」
「絵かいてる」
もしかしたら、公園に絵を書きにきている人、あるいは子供なのかも。
「いつもいるの?」
確かこの公園で遊ぶ日は決まっている。
「うん」
「いつも、お昼ご飯食べてからここ来るの?それともここに来たあとにお昼ご飯食べるの?」
「食べて、来る」
ではいないわけだ。
「じゃあお昼ご飯食べてから来ようか」
「…うん」
納得してくれたのか、シヨルはこくんと頷いた。
涙と鼻水で顔面が大変なことになっているけど。
「じゃあ、そうだな、近くにホリデイコーヒーあったよね。そこで食べようか?」
ホリデイコーヒーはランチもやっている。
ちょっとしたものならシヨルも食べられるだろう。
まだ10時だけど…。
「うん」
「お腹すいた?」
「ううん」
「ここで少し遊んでからにしようか」
「うん」
不貞腐れてシヨルは下をずっと見ている。
これじゃあ公園でも遊べない。
「ママと砂のお城でも作る?」
「うん…」
それでも私が砂場に入ると、よちよちした歩きで隣までやって来てくれた。
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う - 最高すぎる! (2021年8月27日 0時) (レス) id: e80e14e0ea (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 名作すぎます (2020年1月23日 3時) (レス) id: b6570be25e (このIDを非表示/違反報告)
ぺう(プロフ) - とても良かったです。 (2019年2月4日 12時) (レス) id: 8883837a46 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - とても、感動する作品でした!!!最後、ハッピーエンドになってよかったです。けれからも、がんばってください♪ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めっちゃ好きで、もう何回も読んでます (2018年10月24日 21時) (レス) id: f12f5d2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月31日 12時