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「到着!……あれ?炭治郎くん?」

「はひ……」

「ありゃ」

どうやら俺はAさんの速さに耐えきれず
軽く失神したらしい。

「炭治郎くーん。起きて、ついたよ」

「っあ」

「起きた」

くすくすとAさんが笑い、狐面に付いている紐が揺れる。
表情は相変わらずわからないけど、最近は声色でわかるようになってきた。

「Aさん速すぎでは?」

「ん?そんなことないよ。鬼殺隊にはもっともっと速くて強い人がいるからね」

やっぱり、すごいな……。

「炭治郎くんはもっと強くなれるよ。頑張ってね」

頭を、撫でられた。
なんだか、不思議感じだ。

「あ、あの」

「なぁに?」

「Aさんって、いくつなんですか」

「齢?」

Aさんは指で数を数え始めた。少し迷ったように指を折っている。

「じゅう……じゅう……17、かな」

「曖昧なんですね」

「あんまり歳とか気にしたことないからね。気づいたら季節は回ってるし、自分は歳をとってるって感じ」

4歳差

「そっか……」

「?」

「あの、さっき頭を撫でられた時、不思議な感覚がしたんです」

「不思議な感覚」

「母ちゃんや父ちゃんに撫でられた時とは違くて……でも、なんだか似ているような」

「……」

困っているんだろうか。

「炭治郎くんには兄弟がいるの?」

「はい、弟妹たちが」

「そっか」

Aさんは狐面の鼻の下のところを触った。

「きっとそれは、姉や兄に撫でられた感覚じゃないかな」

話を聞くと、Aさんにはお兄さんと妹がいて、Aさんは真ん中。
お兄さんに撫でられた時、母親や父親と撫でられた時とはまた違った感じがしたと言う。

「じゃあ、俺はAさんを、姉だと思って?」

「そうじゃないかな?まぁいいよ。弟ができたみたいで楽しい」

そうしてまた俺の頭を撫でた。
……まただ。
悲しい、匂いがする。

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花帆 - 年上夢主さんに甘えてしまう炭治郎本当に可愛い(大好物)ので読めて嬉しいです! わぁ、また書かれた際はぜ拝読できるのを楽しみにしておりますね(*´ω`*)  (2019年9月2日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます!お兄ちゃん炭治郎が年上相手にどうするのか書いてみたかったので、好きになっていただけてよかったです^ ^続編もできたら書いてみようと思います。応援ありがとうございます( *`ω´) (2019年9月2日 17時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 鈴香さん» コメントありがとうございます!時間ができたら頑張ってみます!応援ありがとうございます(`・ω・´) (2019年9月2日 17時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 一気に読ませて頂きました!年上に恋する炭治郎めっちゃ良かったです(*´ω`*) 可愛い…鬼殺隊に入ってからの炭治郎めっちゃカッコ良くなりますし、両想いになるまでやなった後もすごく見てみたいです…!続編も読めると嬉しいです(o>ω<o)受験ファイトです! (2019年9月1日 12時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
鈴香(プロフ) - この作品すごく好きです!!続編や番外編!楽しみにしてますね!受験頑張ってください!(*´ω`*) (2019年8月6日 15時) (レス) id: 433bf9ff90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五十土 | 作成日時:2019年4月30日 1時

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