episode10〜目立ちたい病は治らない？〜 ページ10
若武の後に続いて、書斎に入った。
皆が思い思いの格好で座っていると、突然、パトカーのサイレンがなった。
「お、電話だ。」
スマホを抜き取りながら、部屋を出ていく。
私と小塚君は平然としていたけど、忍はびっくりしていた。
そりゃ驚くよね。
私も「バレンタインは知っている」の時に聞いて、びっくりしたもん。
「若武、着メロまで目立ちたがり屋だな。」
忍は半ば呆れ、半ば関心していた。
「アイツの目立ちたい病って、治らないんじゃないか？」
私と小塚君は顔を見合わせて、クスクス笑った。
すると、ドアが開いて、若武が戻ってきた。
その目には緊張した光があった。
「アーヤ宛に、黒木から電話があった。今から緑川公園に来てくれって。」
私は驚き、唖然とした。
黒木君がなぜ私だけを呼び出したかもわからなかったし、その公園の場所も知らなかったから。
すぐに小塚君が調べて、地図を出した。
「ここが若武の家で、そこから自転車で10分のところに緑川っていう川があって、その付近の公園のことだよ。」
私は住所をメモして、自転車に飛び乗り、出発した。
けど、この時の私は知らなかったんだ。
今、黒木君が辛い立場にいるってことを。
＊
若武の家を出てから、10分後。
緑川公園に到着した。
黒木君はどこにいるんだろ…。
辺りを見回していると、ベンチに座っている黒木君を見つけた。
「黒木君！」
声をかけながら近づくと、黒木君がこちらを振り返った。
「やぁ、アーヤ。いきなり呼んでごめんね。」
黒木君の目には、今まで以上に濃い影があった。
「今ならアーヤに自分のことを話せるんじゃないかと思って…。」
私はこくんと息をのんだ。
「実は…、俺の家族が誘拐されたんだ…。」
えっ！
唖然としでいると、黒木君は空を見上げ、静かに口を開いた。
「1週間前、俺が学校から帰ってくると、すでに誘拐されていた。机には置き手紙があって、助けたければ、自分で探し出せ。警察へ連絡したら殺す。とね。それで、ショックで、学校にも秀明にも行かなかったんだ。」
そうだったんだ…。
「今、俺すごく動揺してる。どうすればいいんだ…！」
私は胸が締まった。
黒木君はずっと、こんなにつらいことを1人で悩んでいたんだ。
私はなんとかこの気持ちから救ってあげたくて、立ち上がり、黒木君の手を引っ張った。
「大丈夫だよ、黒木君！皆で誘拐された家族を探そう！」
黒木君はうつむいた。
「一緒に頑張ろう！」
続く (更新停止中)
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氷奈@♪みゅみゅ♪#サブ - コメント失礼します。とても面白かったですっ！続きが読みたいです…！ (3月8日 23時) (
レス) @page10 id: f66accc3f0 (このIDを非表示/違反報告)
上杉カノン - とっても面白いです！続き読みたい！ (2020年6月30日 17時) (レス) id: 8c8b2e710f (このIDを非表示/違反報告)
安威革見尾 - すっごく面白いです！更新楽しみです！ (2019年8月27日 17時) (レス) id: 104cbff250 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！_(..)_ (2018年3月11日 21時) (レス) id: b0b260f969 (このIDを非表示/違反報告)
森嶋朱雀(プロフ) - すごいよ！すごいよ！原作の世界そのままだよ！まだ途中だけどすっごい面白い！！ (2017年7月25日 17時) (レス) id: 1992c75747 (このIDを非表示/違反報告)
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