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正直、瀬川はなぜ自分にこう不運が降りかかるのか全くわからない。一つ一は偶然かもしれないが、これだけ積み重なるとその一言では済ませられないだろう。
探偵社の中では自分は比較的無害そうな顔と雰囲気をしていると自分では思っている。だって、そうだろう。終始にやにや笑っていないし、人を殺せるような眼光をしていないし、無邪気すぎて裏があるように思ったりしないし、眼帯じゃないし、燃えないし、野性味あふれすぎてないし、いつでもどこでも眠り出したりしないし、エトセトラエトセトラ。自分は本来疑われる側の人間ではない筈なのだが。心の中だけで溜息を吐いた。
だが、そんな瀬川だから何かの事件の犯人であると疑われることは初めてではなかった。流石に殺人事件というのは今回が初だったが、それだけだ。そして、だからこそ他人よりも関わる機会の多かっただろう機関というものがある。それが幸か不幸かは別として、今回ばかりは瀬川にとって良い方向に働いた。
言うまでもなく、警察機構そのものである。
「その制服、綺麗すぎる」
通常、警察機構で支給される制服は全国共通である。集団意識をより高め、組織の結束力を内外に知らしめることが主にその目的だ。
だが、そのままでは各県警の見分けがつかないため、一か所だけ各県の警察ごとに違う箇所がある。
制服の右肩部分。
そこに、各県の名称やシンボルマークをエンブレムとしてとりつけるのだ。警視庁なら「警視庁」という文字と都のシンボルであるイチョウのマークを、埼玉県警なら県鳥のシラコバトを、そして、千葉県警ならChiba policeの頭文字である「CP」の文字を。
だから、瀬川は整った無地の制服を着こんだ警官の姿を見てぴんと来たのだ。どこにも所属していない警察などこの世に存在するはずがないのだから。
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神羅(プロフ) - 蛍火さん» すみません、もう締め切っておりまして……。それに、今は殆ど機能しておりませんので……。ボチボチ更新しなければと思うのですが、私も一応受験生でして……。すみません。 (2018年7月9日 23時) (レス) id: 57d9444f68 (このIDを非表示/違反報告)
蛍火 - お話読ませていただきました。もしも席がまだ空いているのなら、社員として、入らせていただけると嬉しい所存でございます。この小説を読もうとしたきっかけは、ラハルちゃんの紹介です。お考えの方よろしくお願い申し上げます。 (2018年7月3日 14時) (レス) id: 62a90d8188 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 浅葱さん» 頑張ります! ちょこちょこ更新しますね (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - すごい、面白いです!更新待ってます!! (2018年3月3日 13時) (レス) id: 2921f40b7a (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» はい! おかげさまで突入できました! 不定期更新ですが、これからもよろしくお願いいたします(^-^ゞ (2017年5月5日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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