Colors 【短編集】

問題:うらたぬき ページ13

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　うぅぅ…と机に頬をくっつける。案外、冷たくて気持ちいい、とそのままのポーズでいるとこら、と怒られた。

　「先輩、」

　「ん？」

　私の横で真面目に勉強してる先輩に声をかけたら質問？と目をこっちに向けてくれるあたり優しさがにじみ出てる。

　「どうしてテストなんてあるんでしょう…。」

　「は？」

　心の底から理解できず、コイツ何言ってんだ？てきな顔をされた。先輩は私と違って頭いいから、こんなこと思わないのかな…。

　「そーゆーのいいから、勉強の続き。俺が教えてるんだから、低い点取ったら覚悟しろよ。」

　ひぇ、と口から溢れる。いつも優しいのにときたま口が悪くなる先輩。…全部引っくるめて優しいと私は思うけど。


　「じゃあ、うらた先輩、」

　「ん？」

　「高い点数、だったら…？」

　出来心で聞いてしまった。取れんの？って笑われるの分かってるのに。鼻で笑われるかも…。そうなったら立ち直るのに少し時間がかかりそう。

　「…そーだな、お前が驚くようなこと言ってやるよ。」

　「え…？」

　予想外の言葉に隣に座る先輩の顔を覗き込むけど、避けるように顔を反らされた。

　「こっち見んな。」

　ほら、次ここ。とシャーペンで問題集を指す先輩。恥ずかしそうな先輩に、何も言えなくなって先輩に言われた問題を解くためにシャーペンを握った。




　「先輩、出来ました！」

　「…はい、不正解。」





　私が驚くようなことを聞くのはいつになるのやら。

　

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