フェチ:伊東歌詞太郎 ページ27
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「…歌詞さんは、何フェチ?」
「…え?」
ソファに座って、クッションを抱えて、テレビを見つめながら、隣に座る歌詞さんに質問してみた。この前、読んだ雑誌にフェチのことが書かれていたのをふと思い出して突然聞いてみる。
「フェチかぁ…。」
なんだろう、と私の突然の質問にも関わらずきちんと考えてくれる歌詞さん。考えてる姿ですら、バランスがよくてかっこいい。なんてテレビを見ているふりをしながら横目で歌詞さんを見つめる。
「Aは何フェチ?」
「私?私は…声、かなぁ。」
聞き返されると思ってなくて、少しびっくりしたけど案外簡単に答えは見つかった。声が好き。特に歌詞さんの声。流石にそれを隣に座る本人には恥ずかしくて言えないけど。
「声かぁ…。あ、匂い、かも。」
「匂い?」
意外な答えに思わず隣を向くと、ばっちり目があった。香水を普段付けない歌詞さんの口から匂いが出てくるとは思わなかった…。
「石鹸とか、そういう自然な匂い。Aのシャンプーの匂いとかも好きだよ。」
「な…!!!」
どうして、この伊東歌詞太郎という人は、こういうことをこうもさらりと言ってのけるのだろう。真っ赤であろう顔を隠すために抱えていたクッションに顔をうずめる。
「顔、真っ赤。」
「歌詞さんのせいだ。」
私ばっかり、こうやって歌詞さんに翻弄される。ズルい。私だってたまには歌詞さんのこと翻弄したいのに。
「歌詞さん。」
「ん?」
「私、声フェチだけどね、誰よりも歌詞さんの声が好きだよ。」
仕返しとばかりに、恥ずかしくて言えなかったことを口にする。…きっと、笑ってありがとう、なんて言うんだろう。そう思ってクッションから歌詞さんに目を移す。
「え…。」
「ちょ、見ないで。」
歌詞さんの顔は、赤くて、手で隠してるけど隙間から見えていて。待って、そんな反応するなんて思ってない。
「A、今のはズルいよ…。」
お互い、お互いが大好きです。
***
初、歌詞さん!
フェチの内容は歌詞さんのツイッターを参照させていただきました。結構古いツイートだったし、フェチってきちんと書かれてるわけでは無いですが。
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蒼(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!!好きだと言っていただけてテンション上がってます!ゆきさんもお身体にはお気をつけてくださいね! (2018年12月3日 8時) (レス) id: 6ff2611221 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - スイ(さぶ)さん» 分かりました。坂田さんですね!せっめいありがとうございます、助かります。早めに書き上げられるよう頑張ります! (2018年12月3日 8時) (レス) id: 6ff2611221 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - こういう短編好きです…!!(ほとんどコメントしたこと無いので、ちゃんとした日本語になってるか心配です) 読んでて楽しいので、次も楽しみにしてます!! 寒くなってきてるので、お身体には充分お気をつけください…!応援してます!! (2018年12月2日 18時) (レス) id: e3b7ecda00 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(さぶ)(プロフ) - ありがとうございます!!坂田さんで、試験前の勉強会をしてて途中で告白する…みたいなのって可能でしょうか…。語彙力なくてすみません。幼馴染だとかの設定は作者様が書きやすいようにして頂いて全然大丈夫です!よければお願いします… (2018年12月2日 0時) (レス) id: 9fca0c060a (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - スイ(さぶ)さん» 楽しんでいただけて凄く嬉しいです!ぜひぜひお楽しみください(あってるのか?)リクエスト嬉しいです、いつでも受け付けております!お待ちしています。 (2018年11月29日 22時) (レス) id: 6ff2611221 (このIDを非表示/違反報告)
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