131.黄昏の一番星 ページ31
二人で杏寿郎の屋敷へ帰ると、
縁側に腰をかけて夕涼みをしていた。
黄昏色に染まる空を見上げていると、
夜の始まりを告げるかのように一番星が瞬き始めた。
「一番星見つけた。」
「ん？どこだ？」
「ほら、あそこだよ！あそこ！」
私が空を指差して教えると、
杏寿郎は私に身を寄せて空を覗き込んだ。
「本当だ！見つけ…た」
不意に近い距離で見つめ合う形となり、
息が止まりそうになった。
静かな時が二人を包んで、ゆっくりと彼が唇を寄せる。
私たちは、夕時の涼しい風が二人の間を通らぬようにと
熱くて甘い口づけを交わした。
「ん…」
私はこの日、
一生忘れられないほどの幸せをもらった。
黄昏時の一番星のように
それはいつか大勢の中のひとつになってしまったとしても、
私の心にいつまでも一番光り輝く出来事。
「幸せ…」
思わず口から出た言葉に、
杏寿郎は微笑んで私を横抱きにした。
「ん！？」
「すまない。
君が可愛すぎて我慢ならない。」
杏寿郎はそう言うと、
私を抱えたまま寝室へと足を運ばせた。
彼の足音よりも遥かに速い私の鼓動は
私の全身に流れる血を熱くさせる。
褥に寝かされると、熱を含んだ蕩けそうな瞳で
彼は私の頬に手を添えて尋ねた。
「A…良いか？」
愛するあなたとなら良いに決まっている。
私はこくりと頷いた。
「愛している。」
「私も愛しているよ。」
薄暗い部屋の中で、何度も何度も重なる唇。
熱い吐息だけが部屋に響いて
それが私の脳を刺激していく。
きらりと輝く指輪をつけた私の指に
杏寿郎は離れないようにと指を絡めた。
「暑い…」
「それなら脱いでしまえば良い。
手伝おう。」
流れるように解かれた帯は
私の身体を締め付けから解放する。
露わになった肌は彼に触れられたところから
さらに熱を持つ。
「優しく君を愛そう。
痛かったら我慢せずに言ってくれ。
今宵は時間をかけて、ゆっくり愛し合おう。」
※ この続きは大人な話なので…
『淡紅舞う＊』 「誓い愛」でお読みください。
この後更新する予定です。
制限がございますので、該当年齢以下の方は
大変申し訳ありませんが、お控えください。
こちらの物語だけでも今後の内容に差支えはありません。
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます！夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです！ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (
レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます！ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります！ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます！ (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐姫 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/kohime_yume
作成日時：2022年4月27日 20時
