#103『優しいポートマフィア幹部』 ページ18
中也は思いっきり小屋に打ち付けられた。
小屋の横壁に無惨に穴が空いた。
常人なら即死は間違いない。だが、超人の中也は・・・・・・
中也は舌打ちをしながら、立ち上がろうとしていた。
その頭を太宰は踏みつけた。
「むぅ、流石組合の異能力者驚異的な頑丈さだ」
「踏むな!」
太宰が踏み付けている中也も驚異的な頑丈さだ。
太宰は中也の頭から足を退け、中也は立ち上がった。
「来るぞ、どうする?」
「ふっ、どうするも何も私の異能無効化ならあんな攻撃、小指の先で撃退」
太宰が言い終わる前にラヴクラフトの触手が太宰に直面した。文字通り小石のように飛んでいき、木に打ち付けられていた。
……嗚呼、本当に彼以上に厄介だ。
「おい!」
その時、朔の体が後ろに倒れた。中也が朔を後ろに引いたのだ。
朔はそのまま中也の胸の中に倒れ込んだ。
中也はそのまま朔を抱き抱え、向かってくる触手に拳を入れた。
中也が朔を後ろに引かなかったら頭蓋骨陥没だった。
「おい、太宰!」
中也は朔を丁寧に下ろし、太宰の元に駆け寄った。
朔は呆然と立っていた。中也は朔を助けてくれたのだ。考え事をしており、触手に気付かない朔を。
敵組織の一人を。
朔はどうしようもない笑いが込み上げて来た。義理にない人を反射的に助けてしまうポートマフィア幹部。
酷く、可笑しかった。
朔は笑いながら太宰達の元に歩いて行った
「うふ・・・・・・ふふふふふ」
太宰は痛みを堪えながら立ち上がった。
太宰の口からは血を吐き出した。
「手前、案外深手じゃねぇか」
「あの触手・・・・・・実に不思議だ。異能無効化が通じない」
「莫迦な、有り得るのか?」
「私の異能無効化に例外は無いよ。可能性は一つしか無い」
「異能力じゃない」
朔と太宰の声が重なった。
中也と太宰は朔を見た。
「どうします? あれ」
朔はラヴクラフトを指さした。
そこに居たラヴクラフトの目は無くそこにあったのは空洞だ。闇だ。
「疲れた、眠い。腹が・・・・・・減った。仕事を済ませて・・・・・・早く・・・・・・帰ろう」
ラヴクラフトは
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飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時