検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:43,044 hit

#103『優しいポートマフィア幹部』 ページ18

中也は思いっきり小屋に打ち付けられた。
小屋の横壁に無惨に穴が空いた。

常人なら即死は間違いない。だが、超人の中也は・・・・・・

中也は舌打ちをしながら、立ち上がろうとしていた。
その頭を太宰は踏みつけた。



「むぅ、流石組合の異能力者驚異的な頑丈さだ」


「踏むな!」


太宰が踏み付けている中也も驚異的な頑丈さだ。

太宰は中也の頭から足を退け、中也は立ち上がった。


「来るぞ、どうする?」



「ふっ、どうするも何も私の異能無効化ならあんな攻撃、小指の先で撃退」



太宰が言い終わる前にラヴクラフトの触手が太宰に直面した。文字通り小石のように飛んでいき、木に打ち付けられていた。

……嗚呼、本当に彼以上に厄介だ。


「おい!」


その時、朔の体が後ろに倒れた。中也が朔を後ろに引いたのだ。
朔はそのまま中也の胸の中に倒れ込んだ。

中也はそのまま朔を抱き抱え、向かってくる触手に拳を入れた。

中也が朔を後ろに引かなかったら頭蓋骨陥没だった。


「おい、太宰!」



中也は朔を丁寧に下ろし、太宰の元に駆け寄った。

朔は呆然と立っていた。中也は朔を助けてくれたのだ。考え事をしており、触手に気付かない朔を。

敵組織の一人を。



朔はどうしようもない笑いが込み上げて来た。義理にない人を反射的に助けてしまうポートマフィア幹部。
酷く、可笑しかった。


朔は笑いながら太宰達の元に歩いて行った



「うふ・・・・・・ふふふふふ」


太宰は痛みを堪えながら立ち上がった。
太宰の口からは血を吐き出した。



「手前、案外深手じゃねぇか」



「あの触手・・・・・・実に不思議だ。異能無効化が通じない」



「莫迦な、有り得るのか?」



「私の異能無効化に例外は無いよ。可能性は一つしか無い」



「異能力じゃない」


朔と太宰の声が重なった。

中也と太宰は朔を見た。


「どうします? あれ」


朔はラヴクラフトを指さした。


そこに居たラヴクラフトの目は無くそこにあったのは空洞だ。闇だ。



「疲れた、眠い。腹が・・・・・・減った。仕事を済ませて・・・・・・早く・・・・・・帰ろう」



ラヴクラフトは覚束無(おぼつか)い足取りで歩み寄ってきた。

#104『過去の清算』→←#102『組合の中で最凶最悪』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
44人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。