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#102『組合の中で最凶最悪』 ページ17

中也は嫌な予感がすると呟きながら太宰を見た。


「朔君は十八歳女子」


その言葉にガーン、という気配が中也の背後に見えた。

朔は女子。女子の場合160cmは標準身長。しかも十八歳。中也より身長が伸びる可能性が高い。


「お前・・・・・・マジかよ」


中也の顔に浮かんでいるのは絶望。


朔はその顔が滑稽でわらいだしそうになったが、 笑いを堪えながら言った。



「そうですよ・・・・・・」



朔の肯定が中也の心を打ち砕いてしまった。
中也は地にめり込む程落ち込んでいた。



「やーい低身長脳筋」



太宰は落ち込んだ中也を揶揄し始めた。


『低身長』という言葉に反応し、中也はさっきまでの落ち込みようが嘘のように叫んだ。



「この貧弱野郎!」



「ちびっこマフィア」



「社会不適合者!」



「その程度の悪口じゃ。そよ風にしか感じられないねぇ」



勿論だが自慢出来る事ではない。



「ぐ・・・・・・」


中也は呻いた。



「手前が泣かした女全員に今の住所伝えるぞ」



中也は太宰を睨みながら言った。


「ふん、そんな事・・・・・・それはやめてくんないかな?」


「太宰さん・・・・・・改めて思いました」



朔は態とらしく驚いた顔をしながら太宰を見た。



「何だい?」



太宰は中也に反論出来ない傷心に浸りながら朔を見た。



「最低ですね」



「朔君、酷い!」



太宰はシクシクと言いながら泣き真似を始めた。


「成人男性が泣き真似なんて・・・・・・恥ずかしく無いんですか・・・・・・」



その言葉はより深く太宰の心を抉った。



そんな掛け合いをしながら、中也が小屋を出た瞬間。中也の首に触手が巻きついた。



「さっきか妙に肩が凝る・・・・・・」



「働きすぎか?」


ハワード・フィリップス・ラヴクラフト異能力『旧支配者(Great old one



ラヴクラフトの首が有り得ない方向に曲がった。

太宰は目を見開き、朔は此処へ来た事を後悔した。


ラヴクラフトは組合最高の戦力を誇ると言っても過言では無い。あれは異能力では無い、一種の人造人間に近い、と朔は思っている。

異能戦争において最高の太宰ですらラヴクラフトの前では小石でしかない。

#103『優しいポートマフィア幹部』→←#101『低身長仲間』



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飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時

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