帰る場所護る場所 (ページ7)

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フタリ×ノ×ハナシページ7

夜も更けクロロとパクノダを残して宿へ帰っていった。

パクノダもAの部屋で眠ってしまった。

ク｢さっき何を隠していたんだ？｣

『バレちまいんしたか。上手く隠したはずでありんしたが。』

ク｢ははっ、俺も嘘つきだからな。｣

クロロはAの酌で酒をすすめていた。

Aは先程より気を抜いているように見えた。

ク｢本当にこのままでいいのか？｣

『……よくは、ありんせん。けれど』

ク｢俺なら何とかできるかも知れない。｣

『え？それはどういう。』

クロロはAが欲しかった。

美しい容姿、嘘と本音をまぜ話す姿、何より念能力にひかれる。

会話の節々に見える気遣い、恐らく頭もいい、何とかして手元に置きたいと思った。

ク｢俺たち幻影旅団なんだ。｣

『それは、聞いてもよかったことでありんしょうか。』

ク｢鋭いな。名前と顔がバレたら困るから黙っていて欲しい。｣

『つまり拒否権はないと。』

ク｢ああ、どうかな。ここ出ない？｣

あくまでもクロロは話し合いで解決したかった。

念能力が分からないということは、無理やり連れ出して攻撃される事もありうる。

それだけは避けたかった。

Aの表情は曇っていた。

『わっちは……何を支払えば？外へ出してもらったお礼はどのようにお支払いしたらいいのでありんすか。何ももっていんせん。』

あまりにも話がうますぎた。

ク｢そうだな……俺の手足になってくれればいい。その脚も治せるし、仕事以外はずっと自由だ。いや、違うな。俺はお前が欲しい。どうだ。｣

『お時間を頂いてもよろしいでしょうか。』

ク｢もちろん、身請けはいつ？｣

『明後日……いえ、ほとんど明日でありんす。一日だけ頂きたいのでありんすが。』

ク｢構わない、今夜同じ時間に来る。｣

『あい。』

クロロはパクノダを抱えて部屋を出ていった。

『自由に……外へ出られる。』

残り60時間