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「また、か。」
原田の手には紫の風呂敷があった
それを取り囲む幹部。
今回はなんだ、とばかりに風呂敷を開けたところ、中には新品の袴が1着。
「……こんな良いもの、なんで買えるんだよ」
心配そうな表情を浮かべた原田
かなりの大金を支払わないとこんなもの買えない
それも今回に限らず、様々なものが過去に送られている
「……体…売ってないよな」
「な、な、な、何言ってんだよ!そんな事あいつがするわけないだろ!その前に俺がさせねぇよ!!」
藤堂が不安げな、少し怒った口調で身を乗り出す
「でも、どこでこんな大金を…。よっぽど女がこの短期間に稼げる額では無いでしょう」
斎藤の言葉、それはそこにいる全員が以前から思っている事だった
心配なのだ
どこで何をしているかも掴めないのに、掴ませようとしないのに
贈り物をしてくれるのはとても嬉しい事だ
だけど、それ以上に心配なんだ。
あいつは一体どこで何を…
「…見えないところで俺たちのために血なまこになっている事は確かだ」
土方は腕を組んだまま苦しそうに呟く
「女に辛ぇ思いさせてまでよ…幸せになりてぇだなんて思わねぇよ…」
原田は拳を握りしめている
「そんな事…いいから、
早く、…早く帰ってきて欲しい」
もはや、幹部にはその考えしかなかった
沖田の一言に
沖田の、消えそうな寂しい口調に
「……会いたい」
どこにいるの
__________
「毎度、ありがとうございます」
「いやいや、いいのよ。
こんな年寄りばかりの村に雪ちゃんが来てくれて、みんな嬉しがってるよ
まるで、花が咲いたようだねぇ」
可愛らしい笑顔を浮かべる、おばあさんが私に向かって言う
「私ですか?そんな、大袈裟ですよ」
私は苦笑いを浮かべる
最近、村の方に顔が知られて、お店にくるたび優しい声をかけてくれる人たちが増えた
おかげで、人に慣れて来たというか。
人の暖かさに触れられている気がする
はっきりいって、まだ来たばかりの時は
彼らが…彼らが、恋しくてやってられなかった。
「また来てくださいね」
おばあさんとの小さな会話が終わったあと、私は小さく手を振る
「じゃ、私あがりますね」
「うん雪ちゃん、お疲れ様」
前掛けを腰からほどいて畳みながら、店主(ヘタレ)に声を掛ける
「お疲れ様です」
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - はい。楽しみです。 (2015年3月16日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» そんな言われると泣いちゃうんですけど…?((今日、更新しようと思っているので、また見てくださいね! (2015年3月16日 7時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - あなたのような作品書きたいです。大好きです。感謝です。 (2015年3月16日 7時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 春彦いいやつですね本当。毎回応援ありがとうございます! (2015年3月16日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 夜神さん» そこは、永遠の18歳ということで←ババくせぇ。いつもみていただいてありがとうございます! (2015年3月16日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドラごん | 作成日時:2014年7月20日 15時