検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:65,134 hit

32 ページ33

A「は、はうえ…?」




父「…っ、A!早く逃げろ!狙われている!」







働かない頭で、倒れた母を見つめた。




そんな私を父は怒鳴りつけた









父に怒鳴られたのは初めてだ。






A「っ………」






こんな焦っている父を見るのも、初めてだ。









逃げなきゃ








勝手に体が動いた


転びそうになりながらも、必死に足を動かした









逃げろ。逃げろ。









何も聞こえなかった







ただ、心臓が高鳴りしていた









ドクン、ドクン、









父「雲林院……よくも…」









私が先程いた部屋から、父の声が聞こえた







『雲林院』と。









私は、屋敷の奥へ奥へと逃げていく









そうか、雲林院が。



雲林院が来たのか






そうか


母はそんじゃそこらの攻撃なんかでは倒れたり、…死んだりしない。


でも、雲林院ほどの力があれば、母を殺すことなんて容易いことだ。



母は雲林院に殺されたのか






「あぁああああ……………」






父の声。




そうか、


雲林院は初めから


花京院を一掃するつもりでいたのか



春彦の父はきっと、権力を我が物にしたい、と、汚らしい支配欲に駆られてしまったのだろう




私を実家に帰らせたのも



全て、罠だった









春彦。





あなたの事は、信じたかった。









「おい、花京院の娘」







_____ドクン






雲林院の長がそこに立っていた






「お前ごときの小娘に、私がひるむとでも思ったか?確かに、嫁入りという手は驚いた。
だがお陰で花京院に近づき、攻撃がしやすくなった」





あぁ、春彦






A「殺すのか?」







春彦、今、どんな気分だ?







「あ?」





A「私を、殺すのか」







私を、どう思ってたんだ?









「お前を殺すことは簡単だ」






A「血や呪いに染まった栄光など、続きはしない。
その権力を望んだ時点で、お前は御狐様失格だ。」





「化け物風情が生意気な口を叩くな。この小娘」








前にいる雲林院が、私に向かって手を出した

術を出す構えだ。








_____あぁ…死ぬのか









狐の世では、死というものはない。







しかし、死に値する術をかけることならできる









目を閉じたその瞬間







_____ボフン









煙が立ち込めて、辺りが真っ白になった。

33→←31



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
150人がお気に入り
設定タグ:ドラごん , 薄桜鬼
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

斎藤ようこちゃん(プロフ) - はい。楽しみです。 (2015年3月16日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» そんな言われると泣いちゃうんですけど…?((今日、更新しようと思っているので、また見てくださいね! (2015年3月16日 7時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - あなたのような作品書きたいです。大好きです。感謝です。 (2015年3月16日 7時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 春彦いいやつですね本当。毎回応援ありがとうございます! (2015年3月16日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 夜神さん» そこは、永遠の18歳ということで←ババくせぇ。いつもみていただいてありがとうございます! (2015年3月16日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ドラごん | 作成日時:2014年7月20日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。