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風間はツカツカと歩いて行ってしまう。





「お、おい待てよ」





無駄に開いた風間との距離を縮めて、くいっと風間の袖を引っ張った



「ねぇ風間、どういうことだよ。」









風間は歩くのを止める
そして私の方に振り向きもしないで、どこか遠くを見ていた








少しの間、沈黙が続く。









風間「…周りを見てみろ。なにか見覚えはないか」






風間が、おもむろに口を開いた









周り?








風間の言葉が気になりすぎて、周りなんてちっとも気にしてなかった






「周りって…何がだ……よ」









____ズキン





ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ
コワイヨ タスケテ ダレカ
イカナイデオイテイカナイデヒトリニシナイデヒトリヒトリワタシハヒトリコドクニイキル
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

あぁあああぁああああぁああああ‼︎‼︎







「…っあぁ!!」




頭が痛い。


体全体にサイレンが鳴り響く。


体の震えが止まらない。


駄目だ、駄目だ。


何かが危ない。








その場に崩れ落ちる私
頭が割れるほど痛い。頭を抑えても治ろうとしてくれない


痛い痛い



いたい



イタイ









風間「…目を開けろ」









しゃがんだままのパニック状態の私。
それと目線を合わせるように、自らもしゃがみ込んで、私の頬を優しく撫でた風間。









一番初めに視界に入ったのは、一見無表情に見えるけど、実は少し眉間のシワが寄っている顔。




目は紅の、金髪の男が私を見つめている。





他人が見たら、ただの冷静な冷酷な人かもしれない。







けど、私は知ってる。






小さなところに気遣いがあって、それを伝えるのが不器用な人









風間「周りを、見てみろ。ゆっくりでいい」







風間が私に言い聞かせるように、


ゆっくり、ゆっくりと口を開いた









あの居酒屋、見覚えがある



あの屋敷も。屋台も。









『あの場所』にいるときは、外になんて出なかったから。








そうだ、此処は









…私が、新選組を出たときに通った道だ









風間の袖を握った手に力が入る









この道は



私が泣きながら通った道だ









「……かざ、ま。…ここ、」








目の端に涙を溜めながら、周りをじっと見渡す









「…奴らの所へ、戻るのは嫌か?」

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - はい。楽しみです。 (2015年3月16日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» そんな言われると泣いちゃうんですけど…?((今日、更新しようと思っているので、また見てくださいね! (2015年3月16日 7時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - あなたのような作品書きたいです。大好きです。感謝です。 (2015年3月16日 7時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 春彦いいやつですね本当。毎回応援ありがとうございます! (2015年3月16日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 夜神さん» そこは、永遠の18歳ということで←ババくせぇ。いつもみていただいてありがとうございます! (2015年3月16日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドラごん | 作成日時:2014年7月20日 15時

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