【薄桜鬼】めったに咲かない花＿僕らと君の満月日＿ (ページ39)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:172,617 hit

40 ページ39

・

・

「…藤堂、鬼ってなんだ」

「ふん！？」

「…何だって聞いている」

急に喋り出したかと思うとこれだ

最近、こいつは妙に鬼についてやたらと聞いてくる

おかげで喉に餅が…ううう

「ゲホッ、だ、だから俺は知らないって！」

「鬼ってなんだ？この前の男と関係があるのか？女の子とはどんな関係がある？」

「だっだから…」

ジィッと俺の目を見つめてくる
ずーん、という効果音が適用。そして聞こえてきそうだ。

「な、ん、な、ん、だ」

ズンズンと攻めよってくる

俺もこいつも座っているため、攻めよられると密着する

やばい。いやだ。やばい。

「うっ…」

いつもと変わらない冷めた目。

でも…

さすがにこんな見つめられると

…ちょっと調子狂う

「…教えてくれないのか？それは私に知られてはいけない事だからか？私に知られても良い事がないからか？」

俺が心臓が結構ヤバイことなんか彼女は気づいてない

いや、気づかれたくない

「…藤堂、教えてくれないのか？」

俺が切羽詰まってなにも答えないでいると、ふいに彼女が悲しそうに眉を下げる

もうやだ…

その目やばい

ほんとは教えてやりたいんだけど…っ！

ごめんっ！答えられない！！

「左之さぁあああああん！！！」

＿＿＿＿＿

…行ってしまった

藤堂、意外に口が堅い

藤堂が逃げて行ってしまったため、自分一人で藤堂の持ってきた餅を食べている状態。

自分に与えられた小さな部屋の近くの縁側に座っていた

…雨が降ってきそう

空には分厚くて黒い雲が攻めよってきていた

空を見上げながら、餅にひとかじり。
餅の中に敷き詰められている粒あんが美味だ。素晴らしい

「そのお餅、美味しそうだね。」

「…あ、沖田」

声の聞こえた方に振り向くと、柱に寄りかかった沖田がいた

「…いる？」

「あっ、いいの？」

「…あげたくないけど。…あげるよ」

「素直に渡したら可愛いのに」

眉間に大量のシワを寄せながら、自分の口にはいるはずだった餅を、そっけなく沖田に渡す

「…はい」

「ありがと」

沖田が、僕の横に腰を下ろした