【薄桜鬼】めったに咲かない花＿僕らと君の満月日＿

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「俺は、ここで局長をしている近藤勇だ

ここは新撰組の屯所だ

ここにいる彼らは、君に害が及ぶような事はしない

安心して、暮らしてもらって良い

不便なことがあったら言ってもらって良いし…

なぁトシ！」



「あぁ。」









「「…………」」









「………は？…」


「…お、おい平助ッ
いくら土方さんがいつもより妙に優しいからって駄目だぞ
そんな分かりやすい反応したら！(ヒソヒソ」


「そ、そうだった」


なにか焦りながらヒソヒソと藤堂に耳打ちをする原田
そんな原田の指摘にやべぇ、と口を抑える藤堂









笑顔な近藤の隣に土方、と並んで座る。
普通なら、その2人の前に“客”


…なのだが


何故か近藤、土方、“彼女”の順に並んでいる
連れてきた藤堂が、土方の隣に彼女を座らせたのだ




土方は自分のリアクションに目を見開く近藤以外の全員を見て、一つ小さな溜息をついた






「うんうん、トシも賛成という事で、君は新撰組お預かりの身とする」


微妙な空気が漂った部屋に、笑顔で答えた近藤だった

近藤に答える様にそこにいた全員はそれぞれの笑みを浮かべ、彼女を見る





だが布団を被ったままの彼女は先ほどから何も言わない、喋らないどころか動き一つ見せない



明るい雰囲気になり始めた部屋も、彼女の何にも動じない様子にまた雰囲気が微妙になりそうな所だ



そんな雰囲気を変えてやろうと平助が口を開く


「えっと…な、名前は…なんていうんだ」

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