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「…一つ聞く。お前はこいつに何をした?」
倒れた彼女を抱きかかえるようにして、南雲と名乗った少年を睨みつける
「別に?何もしてないよ」
「何もしていない?悪いがこいつは、何もしていない奴になど手は出さん。
もっと言えば、何かしてきたとしても相手に危害は加えない。
お前は、それほどの事をこいつにしたんじゃないのか?」
「ふん、知るかそんなの。相手が傷つこうが、俺はAの事が好きだ。唯一の家族なんだ」
「……A…?」
斎藤の瞳が揺らぐ
「…めんどくさい事になったなぁ、全く。
じゃあまた」
「おい!!!待て!」
「……っくそ」
意識を失った彼女
抱きかかえていた手を離して、床に寝かせる
______
南雲薫といった少年。
彼は不思議なオーラの持ち主だった
「彼は“唯一の家族だ”と言ってあの子に好意を抱いているけれど、
逆にあの子は行動からもわかるように南雲薫には激しい恨みがある。
ってことだよね」
「…そういうことだ」
沈黙が流れる。
そして皆それぞれ、持論を述べていく
「昔、あいつにも色々あったみたいだしな。化け物扱いとかされてよ…」
「聞いている限り、辛い過去しか体験してこなかったのでしょうか」
「…でも、あいつに何があったのかも、俺ら知らないし…。」
「聞こうっつっても多分駄目だよなありゃあ。」
うーんと唸る藤堂の横で頭を掻き毟る永倉。
「……南雲薫…か。」
謎は深まって行くばかりだった
闇夜の緊急会議。
面々には、彼女の姿は見えない
「僕、明日あの子のところに行ってみる。良いかい?」
沖田が土方の方を見る
きっと沖田なりの考えがあるはずだ。そう悟った土方は口を開く
「…行ってやれ。あいつのために」
様々な意見が飛び交ったところで、緊急会議は幕を閉じた
結局、南雲薫について調べるということになり、何か手がかりがあればすぐに報告しあうという結論が出た
__
朝、彼女の部屋の前に立つ沖田の姿があった
「…起きてる?」
返事はない
「話があってきたんだけど…」
いくら眠くても、落ち込んでいても彼女は優しいからいつも返事をしてくれるのに
おかしい
「ね、ねぇ、開けるよ?」
__ガラッ
「………え?」
彼女の姿がない
前もいなくなった事はあったけど
違うこれは本当に
本当に
ダメだ。こんな、こんな事
嫌な予感がする
「………うそ……だよね?ねぇ
…いなくならないでよ………」
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ドラごん(プロフ) - 黒月桜さん» あ、第二章続きますよ^_^ (2014年7月23日 22時) (レス) id: ee7dfc4505 (このIDを非表示/違反報告)
黒月桜(プロフ) - か....完結!? (2014年7月23日 20時) (レス) id: 18c213da58 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - わーい凄く楽しみです。 (2014年7月19日 15時) (レス) id: eede5b9ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 今頑張って書いていますので少々お待ちを!Σd(゚∀゚。) (2014年7月19日 15時) (レス) id: ee7dfc4505 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - わーい。第二章読みたいです。 (2014年7月19日 15時) (レス) id: eede5b9ca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドラごん | 作成日時:2013年8月21日 1時