検索窓
今日:30 hit、昨日:5 hit、合計:13,762 hit

238話 ページ7

「あらあら、穴倉にもぐりっぱなしの爬虫類(はちゅうるい)まで。ご苦労な事ね」

口元を隠してはいるものの、その笑いが友好的なもので無いことはアランにもわかった。

「みんなのわるくちいわないで?ぼくのおともだちなんだ。」
「友達?友達ねぇ。ふふ、その昔、そこに座っていた男も似たような事を言っていたわねぇ」

懐かしむように目を細めた、と思ったその時

「カンに触る!」

アルバから黒いルフが溢れだし、刃のような雷光がアランに向かって繰り出されたように見えた。

「な…んですって?」
「ここはぼくのせかいなんだ。…だから、ぼくのほうがつよい!!」
「潰す!!」

緊張感なく王座から飛び降りたアランは、妙な(おど)りを踊り始めた。

「にょきにょきにょき!でてこぉおおい!みどりのガーディアン!!」

すると、小さな芽があっという間に巨大な球体を作り上げた。
白龍がザガンで生物を作り出すのと要領は同じだが、見た目が全く違う。

苔玉(こけだま)のように丸いし、動かない。

「…。」
「…。」

バカバカしさのあまり、のろりとした動きでアルバから火球が放たれ、ガーディアンを燃やそうとしたが、ヴィネアの水がその炎を消した。

「あーーー!!やったなー!おこったぞ〜!!がったいだー!アガレス!!」

すると、小さなアガレスが何体か現れ、せっせと地面を()り、あっという間に(おの)を作り上げた。

球体から伸びた(つた)がそれを手にすると、先ほどとは全く違う、遠慮ない力でそれを振り下ろした。

バキ…、バキバキ!

激しい破壊音が周囲に響き、地面が割れた。

「チッ!!」

瓦礫(がれき)を足場に、足元から崩れ落ちる体を高く飛ばした時だ。いつの間にかガーディアンがアルバの上で割れた。

驚く間もない。

割れた球体はアルバを飲み込み、元の球体に戻ったのだ。

つまり、ガーディアンは始めから戦闘が目的で作られたわけでない。

アルバを捕らえる為の(おり)だ。

「ふ…!ふふふ!!馬鹿馬鹿しい!こんなもので私を捕らえたつもり?」

けれど、どういうわけか、アルバが魔力を使おうと思っても技は使えず、当然、腕力では傷ひとつつけられない。

何故?!

「諦めろ。ここはアランの世界。お前に勝ち目はない。」
「くっ!」


アランの目的は始めからアルバを倒すことではない。
封じ込めることだ。

239話→←237話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
49人がお気に入り
設定タグ:マギ , 練紅炎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです!!ありがとうございます!! (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です!マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています!これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年12月14日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。