273話 ページ42
「
「同胞…」
「俺もこの国の民だ。そうだろう？」
「困ったね。もう、なにも言えないじゃないか」
今自分はどんな顔をしているのだろう。
嬉しくて、嬉しくて、照れ臭くて。
込み上げてくるものを見られたくなくて、シャロットは紅炎の目をまっすぐ見られなくなった。
「しっかりしてください、シャロット王」
「そうだよぉ。炎兄ぃを止められることが出来る人材なんて貴重なんだから！もっと権力を乱用してよ！！」
ひょこっと顔を出したのは、紅明と紅覇だ。
後から聞いた話だと、シンドバッドとダビデが剣を交えている時に、2人は紅炎を探しだし、残っていた魔力を
「これはこれは、お二方、体調は？」
「我々を案じる必要はありませんよ」
見る限りその通りなのだろう。
久し振りに兄弟が揃って、紅炎も穏やかな顔をしている。
「シャロット！」
「アンナ？どうしたの？？」
「白龍を止めて！飛んででも国に帰るなんて言い張るの！！」
僕は煌帝国の相談役ではないのだけれど…。
グイグイ引かれる手に苦笑いをしていると、白龍が姿を見せた。
「よさないか、杏妃」
「昨日まで眠り続けていたって言うのに、馬鹿なこと言うからでしょう？！」
「皇帝がいつまでも国を開けているわけにはいかない」
「もう！シャロット、何とかして！！」
これは犬も食わぬヤツである。
関わらない方が賢明だ。
「そう言えば、紅炎。コレットには会ったかい？」
「会った事は会ったが…」
「ん？」
気まずそうに目をそらす紅炎に対し、紅明と紅覇は、にやにや顔を見合わせている。
「泣かれたんですよ」
「なんだい。怖がられたのか」
コレットは紅炎とAの息子とは思えないほど、慎重で人見知りなタイプである。
紅炎が面白くないような顔をするのがこれまた面白い。
これは…、これ以上、からかったら嫌われてしまうな。
「けれど、モランに戻る必要はもうないだろう？」
「無論だ」
うん。
良い男だ。
「白龍」
「はい、シャロット王」
「国に戻るならこの３人も連れてお行き。何かの役には立つだろう」
「ですが…」
気まずそうに目をそらした白龍の意図はわかっている。
幽閉中の紅明や紅覇はまだ弁明が立つ。
けれど、紅炎は処刑された身だ。
それが生きていたとなれば、王家の
重臣達も黙ってはいないだろうし、色々と問題が起こるだろう。
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飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです！！ありがとうございます！！ (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です！マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています！これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
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