267話 ページ36
虹を半分ほど進んだところで、アルバは違和感を覚えた。
何かがアルバを拒もうとするのだ。
アランの身が持たなかったのか?
いや、それならば道は消えているはずだ。
けれど、虹は今も続いている。
他に考えられる原因とすれば、
誰が。
ダビデしかいない。
邪魔をするな!!
アルバを排除しようとまとわりつく干渉を振り払うべく、アルバは持てる力を解放した。
*
一体、何が起こっている?
思いもしなかった状態に、ダビデは眉を潜めた。
肉体を得て浮かれていたか。
イル・イラーの状態を探るのが遅れた。
何かがイル・イラーの中に侵入しようとしているのだ。
異物を排除すべく、ダビデはすぐに行動を起こした。
……が、勢いよくそれを弾き飛ばされた。
なんだと?!
一体何者の仕業だ。
そちらに向ける意識がいっそう強くなった、その時だった。
ぶつっと途切れた音が聞こえたように、イル・イラーとシンドバッド肉体に入ったダビデの繋がりが切れた。
驚きのあまりダビデは大きく目を見開いた。
間の前に迫り来る
無効化能力者!!
「女ぁあああ!!」
ダビデがAを排除しようと術を繰り出そうとしたまさにその時、別の方向から八芒星が浮かび上がるのが目の端に見えた。
『『『『極大魔法!!!』』』』
ちょこまかと
「小賢しい!!!」
Aに向かっていた術は、王の器達が繰り出した術を
*
ダビデに気付かれたのだろう。
それを察するほど、干渉が大きくなった。
急いで虹を渡りきってしまわねばならない。
万が一、虹が途切れてしまったら次はない。
アルバは激しい
もつれる足を懸命に動かし、先を急ごうとした矢先だ。
かつてアルマトランでよく目にした姿…、聖教師の正装に黒ローブを羽織った男、いや、人形がアルバの前に立ち塞がったのだ。
かつての仲間の姿をした傀儡を手足のように使ってきたアルバは皮肉げに笑みを浮かべた。
「本当に嫌になる!!」
アルバの嫌悪と同時に飛び出した攻撃に次々と人形達が蹴散らされていく。
けれど、アランを
ひとつでも間違えば、精神体で行動しているアルバには消滅を意味した。
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飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです!!ありがとうございます!! (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です!マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています!これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
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