262話 ページ31
「ハル、応答するんだ。ハル」
『はい、ハルです。王子は無事です』
「いや、そうじゃないんだ」
ハルの真面目さに思わず微笑みを返す。
「近くに信頼できるものはいるかい？」
『はい、兵士数名と移動しておりますが』
「彼らにコレットを預け、至急僕のもとに。君の能力を借りたい」
通信を切ると、ちゃんと話せと言わんばかりにAがシャロットを睨み付けていた。
「今から
は？と、いう顔をしながらAはひとまず頷いた。
「君は僕の騎士だ。」
「………今さら？」
Aは始めから今に至るまでシャロットの騎士だった。
「紅炎、よく聞くんだ。」
シャロットは意識が飛んでいた時の話をした。
確かにグエンツェンの王はシャロットだ。
けれど、グエンツェンの２つあるうちのひとつの能力はAが引き受けた。
「つまり、無効化能力は生まれ持った能力ではなく、グエンツェンの能力だったってことか？」
「そして、僕はそれに相反する力を持っている。………おそらく、増強魔法だ」
困惑ぎみのAとは違い、紅炎は納得したようだ。
まさに盾と矛
「いいかい？このままでは魔力が切れて僕達は負ける。その前に賭けに出る必要がある」
紅炎も同じことを考えていたのだろう。
黙って先を促した。
「白龍以外のメンバーで総攻撃を仕掛ける。反撃されるだろうけど構わずに打て」
そして、と。
シャロットはAに視線を向けた。
「A、君がダビデの反撃を無効化するんだ。一瞬で良い。隙を作れれば、ベリアルの能力を繰り出せる。」
「その攻撃をお前が増強させると言うことか」
さすがに話が早い。
「指揮を君がとれ。こう言う事は経験がものをいう。僕達は君の合図を信じる」
確かに多数の戦場を駆けてきた紅炎なら適任だろう。
「ハル」
いつの間にやらシャロットの背後に控えていたハルは「はい」と膝を折った。
「君の能力で、今の作戦をここにいる王の器とマギ達に」
「はい！」
ぐぐっと膝に力を込めると思ったよりも体が重い。
「出来るのか？」
使ったこともない能力をぶっつけ本番で引き出さなくてはいけない。
紅炎の心配も当然のものだが
「君らしくもない問だね？」
「ふん、死に損ないが」
もとの姿に戻ったせいか紅炎の態度は
出来なければ、世界が終わるだけだ。
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飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです！！ありがとうございます！！ (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です！マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています！これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
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