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261話 ページ30

『私は光』
『私は闇』

『『我々の能力は相反(あいはん)するもの』』

「待て。待ってくれ。どういうことだい?わかるように言ってくれ」


光と影ではなく光と闇と言ったか。
それじゃあ、今まで僕が使っていた能力はグエンツェンの一方の力だけ?

『私の力は貴方に』
『私の力は貴方の騎士に』

僕の騎士?

それを理解した瞬間、シャロットの全身に鳥肌が立った。
グエンツェンの迷宮を攻略したとき、シャロットは1人ではなかった。

そう、確かにいた。
シャロットの騎士がすぐ側に。

Aが無効化能力に目覚めたのはいつだった。正確には思い出せないが、シャロットと共にグエンツェンの迷宮に行った後だったのは、はっきりしている。

あまりにも特殊(とくしゅ)すぎて誰にも解明できていなかったが、そうか。そう言うことか!!

「じゃあ、じゃあ!僕の力とはなんだ!?無効化に相反する力とは……!?」

周囲の景色が光に包まれていく。
シャロットは慌てた。
このままでは聞きたいことを聞けずに終わってしまう。

グエンツェン!と呼び掛けると2頭のイグアナは光に溶け見慣れた双頭のイグアナへ変化していく。

『王よ。愛する人を守りたければ、生きなくてはなりません。楽しいことばかりではないけれど、苦難の先に『真の光』があるのだから』

あまりの眩しさに、シャロットが目を開けていられなくなる。


「シャロット!」


Aの声に引き戻されるように、シャロットは目を開けた。

ゆっくり周囲を見渡すと、空ではマギ達による総攻撃が繰り広げられていた。

「A?」
「生きているな」

言葉はそっけないものの、近年、シャロットの片腕として付き添ってくれた紅炎()がらしくもなく、ほっと眉間に寄せたシワを弛ませていた。

ふっと、頬が緩む。

「びっくりした。いきなり黙り込むんだもん。まだいける?」
「困ったね」
「え?」

そうか。
そうだったのか…。
君は………。

「まだ死ぬわけにはいかなそうだ」

不思議そうな顔をしたAだったが、次に「当たり前でしょ!」と目をつり上げた。


シャロットは懐に忍び込ませてあった通信機に手にした。
ちなみにこの通信機、昔は才ある魔道士だけだったが、今では誰にでも使える魔法具として世界中に流通している。巻き貝型が一般的だが、シャロットが手にしたのは決まった相手にしか繋がらない二枚貝タイプである。

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飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです!!ありがとうございます!! (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です!マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています!これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年12月14日 7時

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