258話 ページ27
《 アルパ 》
怒号のような嵐が吹き荒れる。
この世の終わりのような光景に、人々は逃げる気力さえ失ったように山道に
「A。しっかりしろ！A！！」
ぺちぺち頬を叩かれ、Aは無理矢理、意識を浮上させた。
全身を打つ雨。
荒れ狂う雷。
身体中が痛い。
「私？」
「無効化が追い付かず、攻撃をまともに食らった。」
よく見れば、白い鳥がA傷を癒そうとしていた。
「フェニックス。ありがとう」
どうなっているのだろう。
顔をあげると、あれほど堅固な城が砂の城のように崩れ落ちていた。
「城が……！コレット！！」
シンドバッドの顔をした化け物が楽しそうに世界を破壊していく。
「落ち着け！コレットにはハルがついている。ハルが無事ならばコレットも無事だ」
紅炎が死んだと思って数年。
面影を追うこともできず、声すら忘れてしまったと思っていたのに、再会してみればこれだ。
「紅炎」
「なんだ？」
「アンタみたいな貧乏クジ男好きになるなんて、恋は
「………それは今言う言葉なのか？」
だから、私がいなくちゃダメね！
と、笑うところで世界の色が
＊
「来た」
流星が顔をあげた瞬間だ。
魔方陣と共に見覚えがない黒髪の女が、血の引いたアランを抱きながらやって来た。
こいつがアルバか。
「あら。ご機嫌よう、シンドバッド様」
紅い唇で弧を描いたアルバは、
「ああ、この姿でお会いするのは『始めまして』ですね。」
「まさか…」
特にそれ以上を語ろうとはしないが、シンドバッドとヤムライハは正体に気付いたようだ。
アルバ。
イル・イラーを降ろすために非道な手段を用いり、多くの犠牲を生んだと聞く。
けれど、そんなことはどうでもいい。
流星は馬だ。
人間社会の
「俺がチャムスの眷属で流星だ。どうだ？出来そうか？」
何を、と流星が言わなくてもアルバは理解したようだった。
流星には何に使うのかわからない道具をぐるりと見渡し、「これだけの魔法具が揃っていれば」と頷いた。
「借りるわよ。お嬢ちゃん」
我が物顔で大人1人が楽に入りそうな魔法具の中にアランを入れた。
「ちょ！勝手に触らないで！！」
「邪魔をするな！」
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飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです！！ありがとうございます！！ (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です！マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています！これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
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