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244話 ページ13

花冠なんてと思いながらも、セレンディーネ笑ってくれるからおとなしくしていた。


「私のようになるな。お前はまだ間に合う」


可愛らしいそれは、子供の髪に良く似合う。
嬉しそうに目を細めたセレンディーネは(はかな)く美しい。

「ああ、ようやく言えた・・・」

これで思い残すことはないと言わんばかりの言葉に、シンドバッドは青ざめ、必死ですがり付いた。

()くな!いかないでくれ、セレン!」
「逝くなとお前が望めば私は消えない。ここは夢の世界。全ては思いのまま。」

(もや)のかかった頭では言われた意味が良くわからない。

「シンドバッド、(なんじ)に問う。汝の願いは何だ?」


《シンドリア》

分厚(ぶあつ)い雲が空を(おお)う。
何が起こっているのか知る方法さえない人々は、肩を寄せ合い(おび)えるしかない。

「何が起こっている!シンドバッドとはまだ連絡がつかないのか!!」

声を張り上げるのは国王であるドラコーンだ。
状況を把握(はあく)しようとするが、肝心(かんじん)のパルテビアも指導者であるシンドバッド不在に混乱に(おちい)っていた。

「ドラコーン王、大変です!!空を!空をご覧ください!!」
「アレは・・・、まさか・・・!」

バルコニーにから空を見上げたドラコーンが目にしたのは信じられない生物だった。

《レーム帝国》

シンドリア同様、暗黒が空を染める中、ひとつだけ違う条件があった。

それは既に、アルパや煌と情報を共有しているということだ。

ダビデ復活の『忠告』がティトスとムーにより持たされ、既に準備を整えていた。

「非戦闘員の避難を急げ!!」

その時が来たと知り、兵士達が女子供を優先的に避難させる。
誰も彼もが事態の異常さに、黙々とそれに従うなか、海岸を固めていた兵士が顔をひきつらせた。

「来ました!使徒(しと)です!!」


《バルバッド》

整然(せいぜん)と並び揃う兵士達を押し退け、紅玉は空を睨み付けた。
それを追うのは、アグラ一家の次男であるアギルだ。

アルガン島にいた時の軽装とは違い、煌帝国の貴人服を着たアギルは、異国情緒溢れる美丈夫である。

「紅玉!突然どうした?」
「来た・・・!」
「来た?何が??」

紅玉を真似てアギルが空を(あお)いだその時だ。

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飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです!!ありがとうございます!! (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です!マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています!これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年12月14日 7時

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