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232話 ページ1

アランがこちらにコンタクトを取ってくることはあっても、こちらから取ることはできない。

とにかく、これであちらこちらを攻撃するようなことは止むだろう。

やれやれと窓から見える城下を見下ろしながらため息をついた。

「王よ。お戻りになられたシンドバッド様がご挨拶をしたいとお目見えですが」
「ああ、今行くよ」

水晶宮から戻ってきたのだろうと、シャロットはハルを連れ、廊下に出た。

「ぱぱぁ!」
「おや、お散歩かい?コレット」

もう一度窓の外を見ると、丁度太陽が傾き始めた時間帯だった。
昼寝の前に少し歩かせようと部屋から連れ出したのだろう。

「お客様がお戻りだ。すぐにコレットを連れて部屋に引き戻しなさい」
「はい。申し訳ありません、王よ。」

参りましょうと女官が促しても、コレットはシャロットにしがみついて離れようとしない。
普段なら「なんて可愛い子なんだい!」と、キスを贈るところだが、今日ばかりはそうもいかなかった。
今更ながらこだわる必要もないだろうが、コレットの実父を考えれば、隠しておくにこしたことはない。

「コレット、パパはお仕事なんだ。いい子に待っていておくれ。あとでママとお部屋に行くからね」

それでも抱きつく力を(ゆる)めない息子に苦笑いをしていると、複数の足音が聞こえてきた。
しまった。と、思いながらも今更隠すようにコレットを女官に手渡すのもおかしいだろう。

下がるように女官を促し、コレットを抱き上げた。

姿を見せたのはやはりシンドバッド。
そして、その後ろにはAと、モランがいた。

「おや、そちらがコレット王子ですか。」
「ええ。申し訳ありません、子連れで無作法(ぶさほう)を」
「いいえ」

シンドバッドの後ろで、Aは不安そうにシャロットを見ていた。
コレットの出生がどうであれ、今やアルパ国の王子。
命を(おびや)かされることはないだろう、と思いながらも不安を隠せないのだろう。

「ああ、愛嬌(あいきょう)のある目元がAによく似ていますね」
「ありがとうございます。モラン、コレットを部屋に」
「はい。王子、こちらへ」

コレットを抱き上げた時、モランが非難(ひなん)するように睨み付けてくるので、「ゴメン」と(つぶや)くしかない。

「まま〜」
「コレット、いい子にしてた?ママとパパはお仕事があるから、モランとお部屋に行っててね」
「うん」

233話→



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飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです!!ありがとうございます!! (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です!マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています!これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年12月14日 7時

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