27話 その2 ページ5
二人はとりあえず、レースフォールの一角にある家を借り、暮らし始めることにした。
砂嵐に耐えらるようにしっかり石積みされた家は若干の息苦しさを感じるが、これはこれで味がある気もする。
王都にいた頃より薄着になった二人は、テーブルを挟んで、街中で買いあさってきた雑貨品とにらめっこをしていた。
「これはなんだ??」
「チャカナス」
革紐に通された貝細工をシンドバッドが手に取った。
(*画像が実際のチャカナスになります)
シンドリアでは見ない形だがこの国では馴染みが深いものになる。
「守りか?」
「そう。東西南北を意味する。どこに居ても光が差すように。」
このチャカナスはアルパ国に根強く信仰されており、装飾品だけではなく織物のデザインとしても広くに使われている。
「古くは貝が金として扱われていた歴史もあるから、このチャカナスは金運を意味する。」
シンドバッドは面白そうにAの話に耳を傾けている。
冒険家というだけのことはあって、自分の知らなかった世界に興味津々だ。
「こっちの花がティカ。山岳の頂上付近に生息する植物で、50年に一度咲くんだって。その花を見られたものは願いが叶うと言われているから、女子が好む雑貨品にはモチーフとしてよく使われる。」
「この鳥は?」
「コンドル。天空の王。悪しき物を払い良き風を招き入れてくれる。」
「なるほどな」
ハンカチや装飾品、バッグやポーチなど、テーブルに乗っているものをシンドバッドは丁寧に見ていく。
それというのも、二人で考えた結果、せっかく商売人に化けるのなら、新たにシンドリアへ輸入できる物を買い付けようという話になったのだ。
現在、シンドリアへ輸出しているものは石と、リャマの毛を使ったカーペットや衣服。
数が無いために希少価値がつき、高値で取引されているが、そろそろ新しいものをと考えていたのだ。
が。Aの不安はいくつかある。
装飾品などにはその国の宗教が影響ものが多い。
アルパ国の最高神は太陽。
だが、アルパ国式の考え方を押し付けたいわけではない。
だったら、無難に動物や植物が描かれるものだけを選んだほうが良いのかと悩んでしまうのだ。
「太陽が偉大であるという考え方は受け入れやすいし、大丈夫じゃないか?」
Aの悩みを見透かしたように、シンドバッドは的確なアドバイスをしてくれる。
流石に貿易商でその名を轟かせたという伝説は半端ではない。
改めてそう感じた。
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ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» はい!謝肉祭とか、技名とかの時はつかってます!その方が楽なのでw更新時間、夕方にしたいんですけど、なかなか出来ないんですよね………(汗) (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 更新時間て少し迷いますよね(笑)昼間は学校がありますし。ちなみに、昨日からルビ機能を使い初めました。ミカノさんは使っていますか? (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» そんなことはないですって!!ww私も夜に更新してるので、夜が弱い人には迷惑ですからww (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - イノリさん» 今回、紅炎の周囲にいるのがオバチャン集団設定で、書いていて楽しいですよ(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 大体22時くらいに原稿が出来上がるので、朝に更新しています。朝に弱い方には迷惑な話です。(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
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