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34話 その3 ページ36

ビュウウウウ!!

突然突風が吹き荒れ、的確に男だけが吹き飛ばさた一方で、ワッフルの体が宙に浮きAの腕の中に納まった。

フォカロルの能力か!

慌ててAがワッフルの状態を診ると、息はあるものの、相当強く叩かれたらしく、ぐったりとしていた。

「ワッフル!ワッフルもう大丈夫だよ。ごめん。ごめんね」

わけもなく謝罪の言葉と同時に涙が出てくる。
優しく撫でてやると、健気にAの指を舐めてきた。

キッと男を睨みつける。

どんな理由があれ、自分よりも弱い生き物を痛めつけるなんて許さない!

Aがその怒りを行動で示そうとした時だ。さっとAを制すようにシンドバッドが手を差し出してきた。
『ワッフルを』そういうシンドバッドも目に、Aはしっかりとワッフルを抱きしめ、一つ頷いた。

チラリと見えたシンドバッド表情に全身の毛が逆立つ。

本気で怒ってる。

「お前は誰だ?」
地を這うような恐ろしい声に、Aはぞっと身をすくめる。
普段のシンドバッドとは比べ物にはならない。

「何故ここを襲った」
「息子をたぶらかしたからだ」
「息子?」
「お前達が息子に外の世界に出ろなどと言ったから、本気にした息子は船乗りになるなどと言い出して出て行った!お前達が余計な事を言わなければ!!」

なっ!
あの場にいた誰かが行動に移したのだろうが、それはその子の意思と覚悟であって、完全に見当違いだ。

「それが息子の意思だ。」

同じ事をシンドバッドも思ったらしい。感情のこもらない声でそう言い切る。

「黙れ!お前達が息子をたぶらかした!!こんなどこの馬の骨ともわからん奴らに、命よりも大切な息子を奪われたんだ!!」
「それは、理由になるのか?」
「なんだと!?」
「健気に店番をしていた犬をあんな姿にする理由になるのか?」

騒ぎを聞きつけたのか、周辺の住人たちが集まってくる。
しめたと思ったのだろうか。
男は両手を広げ、声を張り上げた。

「お前達も気をつけろ!こいつらは息子や娘を奪いにきたんだ!なにもわからない子供達を誘惑して、シンドリア行きの船に乗せるつもりなんだ!そうだ!そうに違いない!シンドリアには噂の悪女が待ち受けている!!二度と戻らない!」

勝ち誇ったように笑う男の異様さに背筋が凍った

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ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» はい!謝肉祭とか、技名とかの時はつかってます!その方が楽なのでw更新時間、夕方にしたいんですけど、なかなか出来ないんですよね………(汗) (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 更新時間て少し迷いますよね(笑)昼間は学校がありますし。ちなみに、昨日からルビ機能を使い初めました。ミカノさんは使っていますか? (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» そんなことはないですって!!ww私も夜に更新してるので、夜が弱い人には迷惑ですからww (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - イノリさん» 今回、紅炎の周囲にいるのがオバチャン集団設定で、書いていて楽しいですよ(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 大体22時くらいに原稿が出来上がるので、朝に更新しています。朝に弱い方には迷惑な話です。(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2014年10月24日 20時

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