27話 その1 ページ4
ポクポクのんびりしたラクダの足音が聞こえる。
砂漠と言ったらラクダ。と、言うわけでシンドバッドとAは商人に変装して、暴走が起こる予兆があるという街に潜入していた。
「ここは兄妹とかの設定でいいんじゃないの?」
「明らかに無理があるだろうが。兄妹は。」
やれやれと、人差し指と中指を額にあてる。
シンドバッドが考え事をするときの癖のようなものだが、分からず屋の娘を見るような目で見てくるものだから、若干腹がたつ。
確かにどう見ても、私とシンではそもそもの人種が違うけどさ。
「じゃあ、踊り子とそのマネージャー。」
「そんなに、俺の恋人設定は嫌か」
ちょっと拗ねた感じのシンドバッドに、そういうわけじゃないけれど。と、言葉を濁す。
なぜかシンドバッド元に『帰ろう』としている自分の行動に戸惑っているとは言いにくい。
キョロキョロ周囲を見渡すと、シンドリアのような強い日差しの中、道端にテントを広げて、思い思いの物を売っている人々がいた。
砂漠地帯に点在するオアシス都市とは思えないほど活気付いている。
この街のどこに暴動の兆しがあるのか。
椅子に腰をかけ昼寝をする老人。
大きな掛け声で果樹を売る少年。
おしゃべりに夢中な奥様方と暇そうに店番をするオヤジ達。
国中どこででも見られる日常の一コマだ。
「とにかく内部潜入しかあるまい。いくぞ」
どんなに凛々しく恰好をつけたところで、所詮乗っているのはラクダだ。
ポクポクとのんびりした足音が笑いを誘う。
「ぶっ!あははは!!シン。カッコイイ!!」
「やかましい!」
「シン。お腹すいたー」
「砂でも食ってろ!」
そんなこんなで、Aとシンドバッドは暴動の予兆があると言われる、『レースフォール』に潜入をした。
『フォール』つまり、滝という名が付いているこの都市だが、実際に滝があるわけではない。
滝のように吹き荒れる爆風が砂漠にレースのような模様を描く。
それを見た人々は自然の偉大さをたたえ、自らの都市を『レースフォール』と名付けられた。
魔導師たちの力でオアシスの水は枯れる事はなく、現代まで受け継がれていた。
山岳地帯ではリャマを飼い、冬に備えるのが一般的だが、こちらではラクダやロバの姿をよく見る。移動に便利なのだろう。
同じアルパ国でもここは気候も暮らしもまるで違う世界だった。
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ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» はい!謝肉祭とか、技名とかの時はつかってます!その方が楽なのでw更新時間、夕方にしたいんですけど、なかなか出来ないんですよね………(汗) (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 更新時間て少し迷いますよね(笑)昼間は学校がありますし。ちなみに、昨日からルビ機能を使い初めました。ミカノさんは使っていますか? (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» そんなことはないですって!!ww私も夜に更新してるので、夜が弱い人には迷惑ですからww (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - イノリさん» 今回、紅炎の周囲にいるのがオバチャン集団設定で、書いていて楽しいですよ(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 大体22時くらいに原稿が出来上がるので、朝に更新しています。朝に弱い方には迷惑な話です。(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
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