32話 その1 ページ29
ザワザワと賑やかな市場を抜けると、少し荒んだ様子の裏道に出た。
「この辺りに入り口があるはずなんだけど」
キョロキョロ周辺を見渡すと目印となる山羊を型どった看板が出ていた。
元々は看板通り、山羊のチーズや乳を扱う店だったのだろうが、今では別の用途として扱われている。
「ここみたい。」
デルから貰った地図と見比べても間違いない。
「入るぞ」
「うん」
数日前、デルは嬉しそうな顔をして店にやってきた。
Aがシンドバッドに遊ぶ場所を紹介してほしいと言っていた事をジャンに話を相談したらしいのだ。
すると、「仲間達も、異国の話を聞きたいと言っているので、遊びに来ませんか?」と伝言を預かってきた。もちろん、それを歓迎し、今日、この場に立っているわけだが・・・。
キィ・・・
油が足らないような音をさせながらドアが開いた。
シンドバッドが前を歩き、その後にAが付いて歩く。
当時を
「この先だな。」
スマートに差し出された手にパチクリする。
「どうぞ?麗しの奥様」
「うむ。苦しゅうない」
踏むところを間違えると、床が抜けそうになって若干怖い。
ひぃいぃ!!
こんな床下に何が潜んでるか、怖くて想像したくない!!
白骨ならいいけど、ムカデとか意味不明な虫はいやぁぁああ!!
怖くないけど、足を這い上がられたりでもしたら、ひぃぃい!気持ち悪い!!
「くくっ!」
ぷるぷる肩を震わせて、笑いをこらえているシンドバッド。
「へ!?なに?」
「必死すぎだろう」
ん?
腕を見てみると、隙もないほどギュッとシンドバッドにしがみついている。
あわわわ!確かに必死過ぎ!
「見えた。ここだな」
歌っているような気軽さの中に、若干混ざる緊張感。
Aはするりとシンドバッドから腕を離し、笑顔の仮面を貼り付けた。
「こんにちはー。」
朗らかな笑顔を浮かべてAが足を踏み入れたのは中庭のような場所だった。
四方を建物に囲まれ、中庭のようなスペース。
そこに、拾ってきたようなベンチや椅子、テーブルが無造作に置かれていた。
このスペースを、ある者は『汚らしい。』と、表現するだろう。
けれど別の者は『お洒落』と表現するような、見る者によってどうとでも評価が変わる、若者の空間だ。
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ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» はい!謝肉祭とか、技名とかの時はつかってます!その方が楽なのでw更新時間、夕方にしたいんですけど、なかなか出来ないんですよね………(汗) (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 更新時間て少し迷いますよね(笑)昼間は学校がありますし。ちなみに、昨日からルビ機能を使い初めました。ミカノさんは使っていますか? (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» そんなことはないですって!!ww私も夜に更新してるので、夜が弱い人には迷惑ですからww (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - イノリさん» 今回、紅炎の周囲にいるのがオバチャン集団設定で、書いていて楽しいですよ(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 大体22時くらいに原稿が出来上がるので、朝に更新しています。朝に弱い方には迷惑な話です。(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
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