30話 その3 ページ27
どこの国でも酒場が情報を収集するには最適だ。
そこで世界が回っている事があるからだ。
カランカラン・・・
レースフォールの外れにある酒場。
豪快に酒を飲み交わすというより、静かに酒を呑みたい男にはもってこいの場所だ。
Aが近所の奥様方と親交を深めているように、シンドバッドも男同士の付き合いでこの店を紹介されて以来の付き合いになる。
ざっと、店内を伺うと、奥の席に2・3組の客が見えるだけだ。
「あら。シンさん。こんな時間にお一人？噂の美人な奥様は？」
豊満な胸にぷっくりした唇。Aより5・6才年上だろう。
この店のオーナーのビスタだ。
「寝かしつけて来たさ」
シンドバッドがカウンターに座ると、通しのナッツが出される。
「あら。悪い男ね」
「いつものを」
「はい」
当然、庶民の店に氷なんてものはない。
ぬるめの酒をあおる。
「訊きたいことがあるんだが」
「あら。何かしら？」
思わせぶりの笑みを見せたビスタの手に、シンドバッドの手が重なる。
「ふふ。いけない手ね」
「この国は何かあるのか？」
「どういう意味かしら」
「今日、『悪女』という物騒な言葉を聞いたものでな。」
ビスタの顔がつまらなそうに変わる。
「ああ。噂の。あくまで噂よ。まだ幼い王様をシンドリア国王と共に騙してこの国を乗っ取ろうとしているって話」
「あいつの実家の方では聞かなかった話だが？」
「知らないわ。噂なんてそんなものでしょう？」
再度、周囲を伺うが、特に異常は見られない。
「それもそうだ」
「ねぇ？それより今夜どうかしら？奥様は今頃、夢の中なんでしょう？」
ビスタの手がシンドバッドの手に絡みつく。
「いや。・・・止めておこう。まだ新婚なものでね。」
チャリっとポケットから出した胴貨をテーブルの上に置く。
「合格。女を泣かせる男は嫌いなの。」
シンドバッドの顔に腕が回り、グイッ耳を寄せられた。
「お気を付けなさい。その悪女を巡っては支持派とアンチ派が存在する。今はまだ表面化していないけど、本人が帰国した以上、自体は必ず動く。巻き込まれたら大変よ」
ビスタは、ポンっと、シンドバッドの体を突き放した。
「奥様を大切に」
女は怖い。
しみじみと痛感したシンドバッドだった。
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ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» はい！謝肉祭とか、技名とかの時はつかってます！その方が楽なのでw更新時間、夕方にしたいんですけど、なかなか出来ないんですよね………(汗) (2015年1月5日 13時) (
レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 更新時間て少し迷いますよね(笑)昼間は学校がありますし。ちなみに、昨日からルビ機能を使い初めました。ミカノさんは使っていますか？ (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» そんなことはないですって!!ww私も夜に更新してるので、夜が弱い人には迷惑ですからww (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - イノリさん» 今回、紅炎の周囲にいるのがオバチャン集団設定で、書いていて楽しいですよ(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 大体22時くらいに原稿が出来上がるので、朝に更新しています。朝に弱い方には迷惑な話です。(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
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