番外編 神を招く紅2 ページ18
「ごめん。シン。私、あの神馬のところに行きたい」
シンドバッドはやれやれと肩をすくめたあと、自分が盾になるようにAをかばいながら列を抜けてくれる。
「すみません。抜けます」
「チッ！んだよ！」
「ちょっと！！」
怒りの声をかけられながらもシンドバッドは愛想のいい笑顔を見せながら、神馬の元まで連れて来てくれた。
どうやらこの寒空の下、長時間順番待ちをしている事で、人々の気も短くなっているようだ。
やっとの事でたどり着いた木の神馬は、所々塗装がはがれていた。
「これ、私が染め直してあげたい」
「綺麗な目の色だな」
Aが手入れの悪さに悪態をたれていると、シンドバッドは眩しそうな目で神馬を見つめていた。
改めて見てみると、紅く染められた目は息を呑むほど気高い。
神に仕える馬。
その美しさ。気高さ。荘厳さ。
可哀想とか寂しそうとか、ちっぽけな自分の感情が恥ずかしいくらいだ。
何を思ったのか、すっとシンドバッドが膝を折り、頭を下げる。
滅多に見ることのないシンドバッドの最高礼に慌ててAも同じように膝を折る。
周囲から嘲るような視線を感じるが、シンドバッドは構うことなく礼を取り続ける。
ピィピィ・・・
わっ！ルフが・・・
シンドバッドと神馬に宿っていたルフがシンクロするように結ばれていく。
見えるものにしか見えない光景に思わず息を呑む。
Aの周囲にも神馬のルフが集まり、暖かな光で心が満たされていく。
自然の流れに身を任せていると、ルフの記憶がながれてきた。
随分古い記憶だ。
山深い村でこの白馬は誕生した。
田を耕し、荷物を運び、人間と共に貧しくとも愛され生きてきた。
『幸せに。どうか、君に良き縁と末永い幸福を・・・』
一人の貧しい青年が花嫁姿の娘を見送りながら、必死に祈りを捧げ、白馬は聡明な眼を揺らしながら青年の側に寄り添っていた。
周囲の風景が揺らぎ、場面が切り替わった。
この神社だろうか。泣き出しそうな顔をした女が必死に祈りを捧げている。
そこへ、この白馬が現れ、娘をどこかへ案内する。つんつんと鼻先で急かす姿にためらいながらも娘は馬に逆らうことはなかった。
案内された先にいたのは一人の男。
気の弱そうな顔をしてはいるが、身なりはいい。
娘と男は始めはただ驚いているが、飛びつくように抱きしめ合った。
『もう会えないと思っていたのに・・・！』
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ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» はい！謝肉祭とか、技名とかの時はつかってます！その方が楽なのでw更新時間、夕方にしたいんですけど、なかなか出来ないんですよね………(汗) (2015年1月5日 13時) (
レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 更新時間て少し迷いますよね(笑)昼間は学校がありますし。ちなみに、昨日からルビ機能を使い初めました。ミカノさんは使っていますか？ (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» そんなことはないですって!!ww私も夜に更新してるので、夜が弱い人には迷惑ですからww (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - イノリさん» 今回、紅炎の周囲にいるのがオバチャン集団設定で、書いていて楽しいですよ(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 大体22時くらいに原稿が出来上がるので、朝に更新しています。朝に弱い方には迷惑な話です。(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
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