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28話 その1 ページ14

レースフォールに潜入して数日。
シンドバッドとAは周囲の人々と馴染んでいく事を優先していった。
貿易業とは別に小さな店を開き、パットを真似て薬草を売り始めた。


「あ。いらっしゃい。おばあちゃん。今日は何をお求め?」
愛想よくAが対応すると、老婆もにっこりと笑顔を見せた。
「腰が痛くてねぇ。先日、こちらの旦那さんに診てもらったらずいぶん良くなったんですよ」
「じゃあ、シンの方がいいかな?今買い付けに出ているから中で待っていてもらえる?」
「ええ。こちらの旦那さんは若い娘たちに人気で。貴方も心配でしょう?」

はは。っと、曖昧な笑顔を浮かべたAは、老婆を室内に招き茶を淹れた。
シンドバッドが得意の魔力操作で客の状態を診て、それにあった処方をAがする。
始めは少し怪しまれたが、商売人としての処世術で、シンドバッドは女性客を。Aは男性客を増やしていった。

が。
順調に街に馴染むかと思っていたのに矢先、一つの問題が起きた。
シンドバッドとAの関係を知りたがる客が増えたのだ。
ここで余計な問題を起こすのは得策ではないと考え、急遽、恋人設定から夫婦設定に変えた。

「ただいまー。うー、あっつ」

ジャラっと、軽装になっても幾つもの装飾品を付けたシンドバッドが首元をパタパタ扇ぎながら室内に入ってきた。

「おかえり。シン。お婆ちゃんがお待ちだよ」

シンドバッドが買い付けてきた荷物を預かると、シンドバッドは柔らかな笑顔を浮かべて老婆に頭を下げた。

「お待たせしてすみません。今日はどうしましたか?奥様」
老婆の足元に膝を付けたシンドバッドに老婆は可愛らしく微笑む。
「奥様だなんて、こんなおばあちゃんにまでお世辞は要りませんよ。あなたに診て貰ってから腰の調子が良くて。もう一度診てもらおうと来たんですよ」
「それはよかった。では、さっそく失礼しても宜しいですか?」

ええ。と、嬉しそうに笑った老婆の腰にシンドバッドの手が触れた。
ぽおっとシンドバッドの手元に光が集まる。

「年だということはわかっているんですよ。でもねぇ」
あちらこちらが思うように動かなくなった体では不自由だらけなのだろう。
少し眩しそうな眼差しでAを見るものだから、困ってしまう。

28話 その2→←番外編 Snow dance7



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ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» はい!謝肉祭とか、技名とかの時はつかってます!その方が楽なのでw更新時間、夕方にしたいんですけど、なかなか出来ないんですよね………(汗) (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 更新時間て少し迷いますよね(笑)昼間は学校がありますし。ちなみに、昨日からルビ機能を使い初めました。ミカノさんは使っていますか? (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» そんなことはないですって!!ww私も夜に更新してるので、夜が弱い人には迷惑ですからww (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - イノリさん» 今回、紅炎の周囲にいるのがオバチャン集団設定で、書いていて楽しいですよ(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 大体22時くらいに原稿が出来上がるので、朝に更新しています。朝に弱い方には迷惑な話です。(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2014年10月24日 20時

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