番外編 Snow dance5 ページ11
「シンは小さい頃何になりたかった?」
「・・・そうだなぁ。食うのに必死で、子供の頃から働いていたからなぁ。」
「え?」
「父親が戦死して母親と二人だったからな。」
あっ!!
言葉にならない悲鳴が喉を鳴らした。
「おい。なんて顔をしている。昔の話さ。今はお前達がいる。だろ?」
「うん」
私は馬鹿だ。
こういう時に不用意な言葉をかけてしまう、自分の浅はかさに嫌気がさす。
自分が平和な世界で暮らしていたからといって、他のみんながそうとは限らない。むしろ事情があったからこそ自国から離れてシンドリアに身を寄せているのに。
「でも、ごめん・・・」
ポツリと呟くと、シンドバッドの大きな手がAの頭を撫でた。
「何か乗らないか?」
「え?」
「あいつらを探しているだけじゃ、つまらないだろ?」
「あ、うん!でも、この辺りじゃ子供が乗るものだかりだよ?」
どれどれと、入り口で貰った園内マップを広げてみると、なんとなく歩いているうちに城の裏側まで来てしまったようだ。
「迫力あるアトラクションならウエスタンランド、クリッターカントリー??あ。これ面白そう!ほら、乗り物に乗りながらシューティングゲームが出来るみたいだよ」
「でも、これは入り口の方じゃないか?」
確かに。
無計画に歩いているうちに色々と見落としてしまったらしい。
「なあ。あれに入ってみないか?」
「ん?どれ?・・・It's a small world・・・?『小さな世界』?」
各国の伝統衣装を着た人形達が歌をうたう小さなショーのようだ。
クリスマスのこの時期だけそれ用の衣装を着ているらしいが。
正直パンフレットの案内だけではどんなものなのかよくわからない。
早速向かってみると、たいした待ち時間もなく、二人は乗り物に乗ることが出来た。
落下や急発進がある乗り物ではないようで穏やかに乗り物は進んでいく。
「あ。歌。」
アトラクションの名前にもなっている歌と共に、様々な人種に似せた人形達が仲良く手をつないだりダンスを踊ったりしている。
「わぁあ。」
なんと表現すれば良いのだろう。肌の色も目の色も関係なく、この世界を分かち合い、助け合いながら手を取り合う。
胸がいっぱいになる。
これはシンが目指している世界そのものだ。
たまらず、涙が溢れた。
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ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» はい!謝肉祭とか、技名とかの時はつかってます!その方が楽なのでw更新時間、夕方にしたいんですけど、なかなか出来ないんですよね………(汗) (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 更新時間て少し迷いますよね(笑)昼間は学校がありますし。ちなみに、昨日からルビ機能を使い初めました。ミカノさんは使っていますか? (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - 飛燕さん» そんなことはないですって!!ww私も夜に更新してるので、夜が弱い人には迷惑ですからww (2015年1月5日 13時) (レス) id: 7a421dbefc (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - イノリさん» 今回、紅炎の周囲にいるのがオバチャン集団設定で、書いていて楽しいですよ(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ミカノさん» 大体22時くらいに原稿が出来上がるので、朝に更新しています。朝に弱い方には迷惑な話です。(笑) (2015年1月5日 13時) (レス) id: ff86b3b758 (このIDを非表示/違反報告)
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