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41話 ページ41

「そ、そんな!」
「それがレームの現実です。美しいものが好まれ、(みにく)いものは避けられる。」

どこか(うれ)いを帯びたムーの表情に、言葉を失った。
どこの国も美しい側面だけではない。
苦悩があり、悲しみがあり、それらをなんとかしようともがく者がいる。

(あわ)れだと思いますか?」
「はい」
「それで、どうしますか。食事を恵みますか。それが何になりますか」

ただ可哀想だと保護するにも限界がある。
それが個人ならば尚更だ。

「・・・だから、仕事を与えたんですか。」
「子供が仕事にありつこうと考えれば、悪事に手を染めるか、事件に巻き込まれるかが大半ですから」

正当な報酬(ほうしゅう)を受け取った時の笑顔はとびっきりだった。
彼らはきっと、コツコツ貯めた銀貨を手に家に帰るのだろう。

ん・・・?

「・・・あの。だから、私にも仕事・・・ですか?」
「報酬は私との夕食です。いかがですか」

ムーが指差した方は、先程から賑やかに酒盛りをしている場所だった。

「あの中に入るんですか」
「嫌いじゃないでしょう?」
「まぁ、そうですね」

礼儀作法に気を使ってばかり食べる食事より、美味しく食べられそうだ。


木造の船だというのに、火を使い、遠慮なくBBQを楽しむ、どんちゃん騒ぎである。

だ、大丈夫なの?コレ。

並んでいる料理は、肉類が多いがチーズや果物類も多彩である。

「おー!隊長!べっぴんさん連れてんじゃないですか!!どこのお嬢さんを拐ってきたんですか!」

なんで、誘拐(ゆうかい)前提なの。

すでに出来上がっていらっしゃる。
真っ赤な顔をして、ムーに気安く声をかけてきた船員に続いて、次々に声をかけられる。

「ひゅ〜!物凄い美人!流石、レームのモテ男は違いますねぇ!!」
「ささ!ここにどうぞ!」


勧められた場所は、夜風が涼しい特等席だ。

「お嬢さん、レームのぶどう酒は世界一だよ!」
「あ。ありがとう」

手渡されたのは、お行儀のいいグラスではなく、普段使いのゴブレットだ。
喉が渇いていたのでちょうどいい。

ぐいーーーーっと一気飲みすると、「おーーーーー!!」と歓声が上がり、次々にぶどう酒が注がれていく。

「隊長、肉っす!食べごろっすよ!」

船員が差し出した肉の塊は、串に刺され、焦げた表面から肉汁がしたたり落ちてしまっている。

えぇ。

中、生じゃないの?アレ。

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姉系チート(プロフ) - 更新待ってます! (2018年12月12日 10時) (レス) id: 41a0229c91 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ☆燐★さん» ありがとうございます。しばらく序章が続きますが、お付き合いお願いします! (2018年12月3日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
☆燐★(プロフ) - 続編待ってました!これからも頑張ってください! (2018年11月29日 16時) (レス) id: 059af8cb76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年11月29日 6時

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