5話 ページ5
「アラジン。白龍さん、シンドリアからパーティーの詳しい日程が届きました」
「モルさん、ありがとう」
パーティーは1ヶ月後。前夜祭から始まり、当日は深夜まで行われるそうだ。
「ここで、シンドバッドが何を考えているか明らかになる」
「他の王族も沢山呼ばれているんだよね」
「ええ」
大真面目な顔をして、白龍は頷いた。
何があっても煌帝国は守って見せる。
これまでなかった強い信念を感じ、アラジンとモルジアナは頼もしく微笑みあった。
「ところで、同じ事を何度も聞くようですが、紅炎は本当に生きるんですか」
落とした声で問われた内容に、アラジンはなんとも言えない顔をした。
「・・・そうとしか考えられないんだ。恐らく、僕が救出する前に、誰かがおじさんを助け出したんだよ」
そんな馬鹿な。一体どうやって
「心当たりはないのかい?」
「そんな芸当をやってのける人物がいたら、初めからシンドバッドが警戒してますよ」
「確かにそうだね」
けれど、そうとしか考えられない事態が現実に起こった。
処刑場に現れた紅炎は確かに本人だった。
そして、いざアラジンが水魔法で救出すると、そこにあったのは既に息絶えた『紅炎』の遺体だったのだ。
内密に調べさせると、顔には手術の
「とにかく、この事は我々だけの秘密にしましょう。どのみち、あの女性が全てを灰にしてしまい、真実は闇の中なんですから。」
そうだね。と、頷いたアラジンに微笑みながら、では、紅炎はどこへ消えたのか。
今何を考え、何をしているのか。
その事ばかりが気になった。
《 バルバッド 》
この日、久しぶりに紅輝の周囲が華やいでいた。
まるで妃でも迎えるのではないかという歓迎ぶりだ。
アンジェが到着すると、真っ先に紅輝が手を差し伸べた。
「アンジェ!よく来てくれたね」
見目麗しい皇子の満面の笑みに、アンジェの方が動揺してしまう。
「あ、あの・・・。は、恥ずかしいです」
「何が?私は君を迎え入れられて本当に嬉しい。」
アンジェにすれば夢のような光景だった。
紅輝ばかりでなく、章妃や紅炎の眷族達まで迎えに出てきてくれるなど、田舎者のアンジェには過ぎた対応だとわかっていた。
「父上の眷族達はアランに忠誠を誓った。彼らはアンジェの味方だ。困ったことがあればいつでも頼るといい」
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姉系チート(プロフ) - 更新待ってます! (2018年12月12日 10時) (レス) id: 41a0229c91 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ☆燐★さん» ありがとうございます。しばらく序章が続きますが、お付き合いお願いします! (2018年12月3日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
☆燐★(プロフ) - 続編待ってました!これからも頑張ってください! (2018年11月29日 16時) (レス) id: 059af8cb76 (このIDを非表示/違反報告)
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